君と溺れて。【yt×hk】

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「お父さんとお母さんね、僕のこと、きらいなの」


光くんはそう言ってシャツを捲った。二の腕には痛々しい火傷のあと。煙草を押し付けられたらしい。


「僕がなんにもできないから、僕が怒らせてるの」


光くんは目に涙を浮かべた。全ての責任を光くんは感じているらしい。光くんに悪いとこなんて、ひとつもないのに。


「だからね、仕方ないの。でも、やっぱり……」


____やっぱり、いたい。


光くんは涙を落とした。声が震えていた。俺のシャツの裾をきゅっと、力のない手で握った。こんなに光くんが苦しんでいたのに、俺は気づけなかった。それどころか、光くんに守られていた。


「ごめん、ひかるくん、ごめん」


俺も気づいたら泣いていた。光くんをそっと抱き寄せた。背中の傷に触れないように、優しく、優しく。

光くんは強がりで、意地っ張りで。何も考えていなさそうに見えてちゃんと考えていて。勉強は出来ないけど人の気持ちがちゃんと考えられる人で。プライドがあって……。

弱みを見せない光くんが、俺の前でだけ、泣いてくれた。だから俺は、光くんを守らなきゃいけない。これからは守られるんじゃなくて、守るんだ。

いつしか俺は、胸にそんな決意を抱いていた。

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