君と溺れて。【yt×hk】

感覚的愛情 ページ23

光くんが虐待を受けていると知ったのは、遊ぶようになってから1年ほど経った頃だった。

俺が光くんの家に遊びに行った時、一緒に学校から帰る時、光くんは時々背中を痛そうに摩っていた。それに体育の時間、光くんは裸になって着替えようとしなかった。女子みたいだと周りに冷やかされていた。子供ながら俺は、光くんの身に何かが起きていると感じていた。

一度、光くんに思い切って聞いてみたことがあったが、案の定教えてくれなかった。だから少年キャンプでお風呂に入ることになった時、1人でシャワーを浴びている光くんを覗いた。やはり、背中に大きな痣がいくつもあった。それだけじゃない、腕には丸い火傷のあと……煙草のような。


「光くん……それ」


思わず声を出した俺を見て、光くんは驚いたあと、俺にシャワーを掛けた。びしょびしょになった俺を弾き出すように、光くんはシャワー室の扉を閉めた。

俺はタオルで濡れた頭と顔を拭き、びしょびしょのTシャツを着替えた。ちょうどその時、光くんがシャワーを終え、下を向きながら戻ってきた。


「ゆうと……さっきはごめん」


光くんは濡れたの髪と、赤い肌のまま俺に謝った。俺はそんなに気にしていなかったけど、光くんは優しいから、俺が風邪をひかないか心配していたらしい。


「ひかるくん、さっきの傷、なに？」


俺は思い切って聞いてみた。すると光くんは怯えた目で俺を見つめた。言おうか言わないか迷っているらしく、言葉を詰まらせている。


「だ、誰にも言わない……？」
「いわない。」
「約束だよ？」
「やくそく。」


すると光くんは周りをキョロキョロと見渡した後、俺の腕を引いて部屋へと戻った。

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