君と溺れて。【yt×hk】

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ブレザーを着たままの僕の体は少し汗ばんでいて、シャツが身体にまとわりついた。今までは苦しくて寝ていたから気にも留めなかったけど、ふと我に返ると気持ちが悪くて仕方ない。

裕翔が帰ったあと、入れ違いというくらいのスピードで大ちゃんが保健室に入ってきた。大ちゃんは保健室の中を走り、僕の手前に置いてあった棚に足をぶつけた。


「いったぁ、ひか、大丈夫!?」


大ちゃんのその言葉よりも、痛がる大ちゃんを見て、大丈夫どころではないと答えたくもなったが止めた。ここは真面目に答えるべきところなのだろう。


「大丈夫……だけど大ちゃんも大丈夫？」


へーきへーき、と鼻の下を人差し指で擦る。その癖は小さい頃からの大ちゃんそのままだった。大ちゃんは恥ずかしい時にこういう仕草をするが、何かを誤魔化したい時にこの癖が出る。つまり大ちゃんは今、痛いのを誤魔化そうとしている。


「大丈夫じゃないでしょ、嘘つかないの」


僕がそう言って頬を膨らませると、大ちゃんはごめんごめん、と軽く謝って僕の隣に座った。


「嘘ついたつもりじゃ無かったんだけどな」


ひかにはいっつもお見通しなんだね____大ちゃんは眉を寄せて笑う。どこか無理しているような、複雑な表情を浮かべて。

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