2 ページ8
.
どんな夢だよと呟けば、彼女は楽しそうに目尻を下げた。
まだ脳が起きていないようだ。
僕はなんとなく、さっきまで考えていた話題を振ってみる事にする。
「そういえば、昔僕がAちゃんを泣かせたことあったでしょ。王子様の話ししてさ」
「ああ! うん、懐かしいねえ。王子様像クラッシュ事件ね」
「あはは! そんな呼び方してるの?」
だって衝撃的すぎて、全部覚えてるもん! なんて頬を膨らませるAちゃん。
表情は幼くても、顔つきはあの頃よりも成長している。当たり前だ。
「あの時、僕どうやって許してもらったんだっけ」
「覚えてないの?」
「うーん、思い出せないんだよね」
リュックを背負って、すっかり帰る用意を終えたAちゃんはしたり顔で言った。
「……僕がAちゃんの王子様になるからって言ったんだよ、拳くん」
暫く、停止する。Aちゃんの、先に帰るよー? という言葉が意味を成さないまま通り過ぎて行った。
「えっ、どういうこと!?」
「ふふ、そういうことでしょ!」
彼女の言葉を追いかけて、バタバタと外に出る。
時間は僕が考えていたよりも悪ではないみたいだ。
時間を魅力として味方につけたAちゃんが、少し先の道でこちらを振り向き笑っていた。
.
恋みたいで落ち着かない / kwkm→←not so bad / fkrP
537人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れのん - 短編集完結、お疲れ様です〜!!kwmrさんのお話もありがとうございました、とっても素敵でした…!!kwmrさんらしい優しさにドキドキしました…!!!長編も楽しみに待ってます!ありがとうございました!! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» こんばんは。コメントありがとうございます! 続きが遅れまして申し訳ないです。とても楽しいリクエスト、嬉しかったです。最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2018年10月16日 22時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 更新ありがとうございます〜〜!!現段階でもすごくドキドキします……!!続き待ってます!! (2018年10月12日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 三星さん» ありがとうございます!!いつまでも待つのでゆっくり更新なさってください。 (2018年10月10日 21時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» れのんさんこんばんは。コメントありがとうございます〜〜。嬉しいお言葉、幸せです。kwmrさんのリクエストもありがとうございます。次回更新時に書きますのでお待ちいただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします〜〜 (2018年10月10日 17時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:三津 | 作成日時:2018年9月14日 17時