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「花火大会に? 僕あんまり好きじゃないって言いましたよね?」
「いいえ? 河村さんは”楽しいとは思えない”って言ったんですー。楽しめますよ、実際行ってみたらきっと!」
「……戸代さんも随分と揚げ足取りが上達したようで」
「ありがとうございます」
「褒めてません。大体この時間から出たって花火終わると思うんですけど」
「じゃあさっさと切り上げて行きましょう!」
「本気?」
「もちろんです! せっかくですもん、思い出作っておきたいなー、とか……」
「はあ……」
溜息を吐きながらも上がる準備をしてくれる河村さんは優しい。
私もパパッと荷物をまとめて、二人でオフィスを出た。星が綺麗に輝いている空は絶好の花火日和だ。
「花火は見えないけど、月綺麗ですねえ。丁度満月!」
「……ソウデスネ」
河村さんの、わざと言ってるのかこの人は、なんて恨み言らしき呟きについて深く考えるのはやめる。
こんないい夜だと言うのに、ビルに囲まれたこの場所からはやっぱり煙しか見えなかった。
「あ、」
ちょうど、破裂音が三回。それは花火大会の終わりを告げる音だった。
河村さんがだから言ったでしょうとこちらを見る。
いや、ほんとに、すみません……。まさかこんなに早く終わってしまうとは思わなかった。
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れのん - 短編集完結、お疲れ様です〜!!kwmrさんのお話もありがとうございました、とっても素敵でした…!!kwmrさんらしい優しさにドキドキしました…!!!長編も楽しみに待ってます!ありがとうございました!! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» こんばんは。コメントありがとうございます! 続きが遅れまして申し訳ないです。とても楽しいリクエスト、嬉しかったです。最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2018年10月16日 22時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 更新ありがとうございます〜〜!!現段階でもすごくドキドキします……!!続き待ってます!! (2018年10月12日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 三星さん» ありがとうございます!!いつまでも待つのでゆっくり更新なさってください。 (2018年10月10日 21時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» れのんさんこんばんは。コメントありがとうございます〜〜。嬉しいお言葉、幸せです。kwmrさんのリクエストもありがとうございます。次回更新時に書きますのでお待ちいただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします〜〜 (2018年10月10日 17時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三津 | 作成日時:2018年9月14日 17時