3 ページ4
.
「Aさんはあまり笑わないですよね」
「そんなことないと思いますけど……?」
「訂正する。僕の前では、あまり笑わないですよね?」
「そっそれは、その。緊張とか……」
「緊張? 僕そんな偉くないし緊張なんてしなくてもいいんですけど」
「いや無理ですよ」
にべも無い返事をしたのが気に食わなかったのか。
何が川上さんのトリガーを引いたのかわからない。
彼は突然両手で私の頬に触れると、目が合うように顔を川上さんの方へと向けた。
とんでもなく近い。
脳味噌が焼き切れそうなくらい緊張して、どんな反応をすべきかとかいう考えがつらつらと流れていく。
「無理じゃないやろ?」
「っ、川上さ、」
「……ふっ、ガチガチになりすぎ」
何もできないまま赤くなって固まっていたら、突然川上さんが笑い出した。
ようやく時間が流れ始めて、ホッとすると同時にさっき攣ったところの痛みが襲ってくる。
「私首攣ってるんですってば!」
「あ、それはすまん」
「川上さん笑ってるでしょ! 謝罪の意が感じられないです! 大体なんであんなの、」
「……ようやく表情変わった。ショック療法って効くやろ?」
悪戯が成功したとでも言うように笑った川上さんを睨めつける。
それでも心の距離が少し縮まったことに、私は小さな喜びを感じていた。
.
537人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れのん - 短編集完結、お疲れ様です〜!!kwmrさんのお話もありがとうございました、とっても素敵でした…!!kwmrさんらしい優しさにドキドキしました…!!!長編も楽しみに待ってます!ありがとうございました!! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» こんばんは。コメントありがとうございます! 続きが遅れまして申し訳ないです。とても楽しいリクエスト、嬉しかったです。最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2018年10月16日 22時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 更新ありがとうございます〜〜!!現段階でもすごくドキドキします……!!続き待ってます!! (2018年10月12日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 三星さん» ありがとうございます!!いつまでも待つのでゆっくり更新なさってください。 (2018年10月10日 21時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» れのんさんこんばんは。コメントありがとうございます〜〜。嬉しいお言葉、幸せです。kwmrさんのリクエストもありがとうございます。次回更新時に書きますのでお待ちいただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします〜〜 (2018年10月10日 17時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:三津 | 作成日時:2018年9月14日 17時