飛影捕獲大作戦！？ (ページ14)

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コエンマからの指令ページ14

その後、飛影は蔵馬と共に幽助のマンションを訪れる事になった。

…とはいっても、コエンマとぼたんから新たな指令を聞くという名目であった為、興味の無い飛影にしてみれば、半ば無理矢理引き摺られていくに近い形となったわけだが。

コエンマとの通信後、幽助と桑原は共に蔵馬に視線を向けた。

「おい蔵馬。本当に今コエンマが言ってたような情報しかねーのか？」

「妖怪人間…なんちゃらって、なんかのアニメみたいなふざけた名前の野郎だな。妖怪なんだか人間なんだかわかりゃしねぇぜ。」

「桑原くん、“吸血人間ベラ”ですよ。確かに似てますけどね。一旦、コエンマからの情報を整理しましょう。吸血人間とは、人間界を拠点に女性の生き血を糧にして生き長らえている種族で、容姿が人そのものである事からその名が付いたと言われています。」

「で、今回はそのベラって野郎が派手に悪事を働いてっから指名手配になったっつーわけか。」

魔界の種族でありながら人間界に住まう妖怪だけあって、流石の蔵馬や飛影にもコエンマからの基本的な情報以外の具体的な知識は持ち合わせていなかった。
唯一付け加えられる情報といえば…。

「麻酔？」

「ええ。吸血人間は生き血を吸う際に相手に拒まれないよう、一種の麻酔のような能力を使うと聞いた事があります。麻薬的役割で意識を朦朧とさせて相手をコントロールするそうですが、それ以上は俺にも…。」

蔵馬は幽助の言葉に頷きつつ、今回明らかにされなかった悪事について顎に手を当て思考を廻らせる。
その特殊能力絡みなのだろうか。
それとも…。

「フッ、どうせ幻覚でも見せて油断させるんだろうが所詮下等妖…なんだ貴様。」

飛影が口を開くと突如桑原が横から肩を組み、にたにたした笑顔を見せる。

「そういや飛影さんよォ、明後日の話、あれどーするんでぇ？」

途端小柄な身体から禍々しい妖気が放たれ、威圧感のある視線を幽助へと向けた。

「ご、誤解すんなって！Aの奴が俺等２人に話持ち掛けてきやがったから、桑原も初めっから知ってんだよ。」

緊迫感が損なわれた空間に「やれやれ」と溜め息をつきながらも小さく笑いを溢す蔵馬は、終始壁際で突っ立ったままの飛影へ視線を移した。

「で、勿論行くんでしょ？」
「行かんと言った筈だ。」

その後の時間は、この話題で散々弄られる飛影だった。