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『好きです…付き合って下さい!』
僕が君にそう言ったのは、二ヶ月前。
僕の高校合格を伝えに行った時だったね。
勝利は早い段階から行きたい高校を決めてた。
勝利とはずっと一緒だったから、自然と同じ高校に進みたいと思った。
でも、僕の学力じゃ少し難しいと分かった。
お姉ちゃんに「あんたじゃ無理」って笑われた時はわんわん泣いて困らせたっけ。
お姉ちゃんがお父さんに頼んで、僕を塾に入れてくれた。勝利が早くに受験を意識させてくれたお陰で、塾や学校の先生達も必死に僕に協力してくれた。
受験勉強は本当に辛くて、何度も挫けそうになった。そんな中でふと、「何でこんなに勝利と同じ高校に行きたいんだろう」って思った。
そこでやっと気が付いたんだ。
「勝利が好きだからずっと一緒に居たいんだ」って。
恋愛感情だから、こんなにも必死になるんだって。
自分の本当の気持ちに気付いてからというもの、その想いは膨らんでいくばかり。
元々、勝利には好きになっちゃう要素しかないもんね。
男同士だけど、当たり前みたいに好きだった。
そして勝利が高校に合格して、僕も合格したら想いを伝えようと決めたんだ。
勉強の甲斐があって、僕は本当に勝利と同じ高校に合格することが出来た。
合格発表を見に行った足で、勝利の家に向かったんだ。
勝利のママにお家に上げてもらってから勝利が帰ってくるまでがすごく長く感じられた。
勝利のママがすごく喜んでくれて、たくさん褒めてくれたと思うけど、正直あまり覚えていない。
やっと勝利が帰ってきて、僕と勝利のママの顔を交互に見て、
まだ何も言っていないのに僕を抱っこしてぐるぐる回ったよね。
まだ何も言ってないよ!って、言いながら僕も笑ってた。
やったな!よかったな!って髪をぐちゃぐちゃにされて、ちょっとだけ涙が出たのは内緒。
何て言って勝利を外に連れ出そうと思ったけれど、その日は勝利から「家まで送る」って言ってくれたね。
帰り道、覚悟を決めて立ち止まると、少し前を歩いていた勝利はすぐに気付いて振り返った。
『高校合格したら、勝利に言おうと思ってたことがあるんだ』
『うん?…何?』
『気持ち悪かったら正直に言ってね、…明日から一切近付かないから』
『え??』
『おれ、勝利のことが恋愛の意味で好き』
『好きです…付き合って下さい!』
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ピヨ(プロフ) - かずえ さん» わ〜ありがとうございます(≧∇≦)鈍感聡ちゃんに不器用な勝利くん…そろそろ転機が訪れる予定ですが、よかったら見届けてやって下さい♪ (2018年3月12日 23時) (レス) id: 8cf126ec24 (このIDを非表示/違反報告)
かずえ - 初めまして!『聡ちゃん…この鈍感めー!!(モダモダ)』となりながらいつも見ています(^^)甘酸っぱくて、もどかしくて、2人共可愛くて、とっても続きが気になります!次の更新も楽しみにしています。 (2018年2月21日 16時) (レス) id: 6d59a6d31a (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ(プロフ) - ほのかさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!!のんびりな更新ですが楽しんでもらえたら幸いです(*^^*) (2018年1月5日 13時) (レス) id: 260e8b028e (このIDを非表示/違反報告)
ほのか - こんにちは!!いつも小説見させてもらってます!ほんとにこの小説がだいすきで、更新されたらすぐ見てます笑 これからも頑張ってください!fanより (2018年1月3日 13時) (レス) id: 5c187ffec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピヨ | 作成日時:2017年9月5日 0時