第六夜 ページ8
ーーアリババ視点
「何者だったんだろうね、あのおにいさん」
「……」
不思議なエルフの男が去って、しばらく経った後宴は終わった。それはまるで一瞬で、俺とモルジアナ、二人の怒りを忘れさせるには不十分だったらしい。
モルジアナはずっと黙ったままだし、俺だって何かを言おうにも彼の顔が横切って何も話せなくなってしまう。せっかくアラジンが場を盛り上げようと頑張ってくれているのに。
「アリババくん、モルさん…、エルフってなんだい?」
「…エルフは、昔の私と同じドレイとして扱われていました。それ以上は知りません」
「モルさんと同じく、商人の人に使役されていたのかい?」
そんな軽いものじゃない、とアリババは心の中で呟いた。昔、先代に教わったことがある。エルフという種族を。
そして実際に、見てしまったこともある。
「教えておくれよ、アリババくん。君なら知っているんだろう?」
「…まだ早ぇよ、まだ話せるような内容じゃねぇ」
彼らはただのドレイじゃない。エルフにしか無い、たった一つの特殊な体質のせいで彼らはーー、
「エルフが近くにいるんだから、直接聞けばいいのにな?」
突如、ガラスの割れた音が聞こえた。
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スノーマン - 面白いですね、もし続きがあれば楽しみにしています! (2018年12月24日 11時) (レス) id: acf7bd7114 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 続き楽しみにしてます! (2018年11月23日 3時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんと | 作成日時:2018年11月1日 12時