第三夜 ページ5
「……な、ッ」
「まあそう怯えるな、……アイツを殺すまではキミには興味ないさ」
それに、金属器は壊れてるらしいし？と話を進めるAにアリババは訳がわからなくなって、思わず質問をした。
「なんで、わかるんですか」
「簡単な事だ、……俺も精霊に近い存在だから」
くつくつと喉を鳴らしながら答える彼に、アリババは思わず後退りした。何故後退りしたかはわからない、けれど彼に近づいてはダメだ、と本能が叫んでいる。
「王の器が、他の王に世話になってるとはね……呆れるよ」
嘲笑うようにそう言うAに、我慢がならなかったのか赤髪の少女は何よりも速く、強いその足で彼を蹴り飛ばした。
「いい加減にしてください。…何故こんなところにいるんですか」
「ッ、は…。それは俺のセリフだね、ファナリスのドレイ女がここで何してんの？てか、…何で鎖取れてるわけ？」
エルフと言えど、精霊と近い存在と言えど人の身である為にダメージは受ける。頭を打ったせいで出血しているが、それでもAはモルジアナに近づいた。
「お、おい…モルジアナ」
「アリババさん、…ジャーファルさんが言った通りこの方は危険です。この方は、王殺しの犯罪者です」
止めに入ろうとしたアリババを力強い声で逆に制止する。出会って半年程しか経っていないが、こんなに敵意剥き出しなモルジアナは久しぶりだ、とアラジンは思った。
「王殺し……、それは違うな。俺の国では、王を王とは言わないんだ」
未だ止まらぬ頭の血を自身の服で止血しながらもそう言うAに一行は首をかしげる。その表情がまた面白くて、頭の痛さを無視してAはまた笑った。
「俺の国ーーエルフの国では、王は国を導く者だ。それは君ら、人間の世界でのマギと同じ。
だから俺の国は、王をマギと呼ぶのさ。だから、
俺は王殺しではなく、『マギ殺し』なんだよ」
「マギ、殺し…」
月夜に照らされる彼は、人間ではないーーバケモノの様に見えた。
ーー
あーるじゅはちフラグつけろって意味わからんよぉ……
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スノーマン - 面白いですね、もし続きがあれば楽しみにしています！ (2018年12月24日 11時) (
レス) id: acf7bd7114 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 続き楽しみにしてます！ (2018年11月23日 3時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんと | 作成日時：2018年11月1日 12時
