第二夜 ページ4
「こらこら、客人がいる前で喧嘩をするな」
思わず、何時もの事が始まりそうだったのでシンドバッドが止めに入った。敵意剥き出しの顔をしたまま彼は言う。
「…俺、コイツに名前を呼ぶ許可出してないです」
子供のようなことを言っているAに、シンドバッドは思わず溜息をついた。
見た目にそぐわず、低い声で話す彼にアラジンは違和感を覚え、話しかけてみようと近づいていく。
「……おにいさん、なのかい?」
女の人みたいに綺麗なお顔だね、と笑うアラジンに対して彼は無表情のまま。"なんだコイツ"みたいな目で創世の魔法使いを見ている。
「変わった耳の形をしてるんだね」
アラジンの言葉に、先ほどの表情から一変驚いた顔に変わり、それと同様に彼の耳がわかりやすく動く。A、と再度ジャーファルが彼の名を呼んだ。
「……、俺はね、エルフっていう種族だよ」
「えるふ?」
にこり、と優しい笑みを浮かべてそう言う彼を見て、アリババは思わず戸惑いの声を上げた。口を押さえても時すでに遅し、Aの興味は完全にアラジンからジャーファルの後ろに居るアリババに移る。
気になってジャーファルの後ろへ行こうと頑張るAを見て、思わずシンドバッドは笑みをこぼした。素直に見せろと言えばいいのに、言えないのがこの男の特性だ。
痺れを切らしたのか、やっと口を開く。
「…後ろの奴をなんで隠したがる?」
「貴方と彼は相性が悪いからですよ」
「はあ、…相性が悪いかどうかは俺が決める。そこを退けろ」
「呉々も、客人を怖がらせるようなことしないでくださいね」
わかってるよ、と言いながら金髪の青年をまじまじと見つめるA。何を隠す必要があったのだろうと頭の上から足の先まで見て、ーー気づいてしまった。
「キミ、……王の器か」
そう言った彼の顔からは、笑顔が消えていた。
ーー
第三者視点難しすぎません?五話まで言ったら切り替えましょうかね……。
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スノーマン - 面白いですね、もし続きがあれば楽しみにしています! (2018年12月24日 11時) (レス) id: acf7bd7114 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 続き楽しみにしてます! (2018年11月23日 3時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんと | 作成日時:2018年11月1日 12時