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第十一夜 ページ13

「こんにちは、ジャミル」
「……誰だ?お前、僕が領主だと知っての無礼か」
「はあ、そんなことはいいので話しさせてくれません?」

領主様のもとへ、真っ黒な髪の、フードを深々とかぶった端正な顔立ちをした女性が現れたんです。そう、この女性こそが彼、ーーAさんです。

にこりと笑みを浮かべながら領主様に近づくAさんを、もちろん彼が許すわけもなく、

「殺れ」、と命令されたのは彼と同じ耳をした男の方でした。

ガタガタと震えながら、領主様に渡された剣を持ち彼の元へ赴く男性をAさんは冷たい目で見て、一言言ったんです。

「殺したいなら殺せば良いさ。…でもキミに、そんな覚悟も度胸もないだろうけど」

どすり、と鈍い音がして思わず目を背けました。色んな場所から悲鳴が上がっている中、彼はずっと高笑いをしてたんです。

「ただただ話をしにきただけなのに……、まさか手を汚すとは思わなかったなあ?これが彼奴らの王の器なの?笑わせてんじゃねえぞ」

その言葉にもちろんうちの領主様が怒らないわけがなくて、

「僕に逆らった、あの無礼な女を殺せ!」

と、腕っぷしのつよい成人男性をありったけ彼にぶつけたんです。

でも、彼には効かないのかなんなのかわかりませんが、彼らが死んだ後にその場から一歩も動かず立っていた彼は無傷でした。血まみれのまま領主様に近づくので、領主様は怯えてしまって。

「はは、やーっぱり見込みのない王だな。…王になる前に、殺してやろうか?」

なんてね、と笑う彼に領主様は私を派遣したんです。

その時の彼の瞳は、今も変わらない綺麗な緑で


死んだ人のような、目をしていました。



「無駄だよ、リョーシュ様。…キミらと俺らは、生きている次元が違うんだから」

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スノーマン - 面白いですね、もし続きがあれば楽しみにしています! (2018年12月24日 11時) (レス) id: acf7bd7114 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 続き楽しみにしてます! (2018年11月23日 3時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れんと | 作成日時:2018年11月1日 12時

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