16.通学 ページ17
康介とは中学に入る頃からあまりというか殆ど話さなくなっていた。
小学校の時とは違い、接する人が増えたことが理由のひとつだろう。
…自分としては苦手な方の部類の人だった。
小さな時の嫌な思い出が蘇ってしまう。
小さな頃から私は余りはっきり喋れる方では無かった為、よくからかわれたりして虐められていた。それは小学校低学年の頃だ。
「おまえ、はっきりしゃべれよ！
ていうかそのかみがたかわいいとか思ってんのか！？」
…など、そういった類の言葉で虐めるのが主だった。
当時の私はそんなことを言ってくる康介のことが大嫌いだった。
小学校高学年になるにつれてそんなことを言われる頻度は薄くなり、中学校に入ってからの3年間はまともに話した記憶がない。
今ではもうほぼ毎日駅で見掛ける、ということだけだから嫌いとかそういった感情は薄い。
長い間きちんと関わっていなかったらその人に対する感情も薄れて行くのかも知れない。
「なんかえらい久しぶりな気ぃすんなぁ！」
「うん…そう、だね」
大きく笑いながら言う。
…どうせ本人は虐めているなんて自覚は無かったのだろうし。
私自身ももうそんなに気にしていない。
「あ！ 折角久々に喋ったんだから途中まで一緒に行こ」
「え！？
…あ、うん。いいよ」
勢いに押され返事をしてしまった。
…まぁ今日だけだろうし別々の学校なのだから良いか。
そんな風に会話をしているともうそろそろ電車が来る時間だ。
二人とも改札を通り、ホームで電車を待つ。
「なぁ、Aって何個先まで電車乗んの？」
「五つだよ」
「へぇっ、そうなのか！ 結構遠いな
俺三個先までだから途中で別れるんだな」
ホッと何処かで安心している自分がいた。
何故ここまで小さな時のことを引き摺るのかと思うかも知れないが、引き摺って康介の一挙一動にビクついている訳では無い。
ただ、緊張しているのだ。
久し振りに話す相手にどういう反応をすれば良いのかどう返せば良いのかよく分からず困っている。
…そう。
要するに私は軽度のコミュニケーション障害、略してコミュ障だ。
…しかし、いきなり出てきた黒助には結構普通に話せているからコミュ障とは言えないのか？
というかそもそも何故あんなに話せたのか不思議なくらいだ。
『人』では無いからかも知れないが。
そんな事を考えていると電車が見えてきた。
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ソルジャードリーム - 更新楽しみに待ってます！( ☆∀☆) (2015年5月9日 11時) (
レス) id: 5aa7608348 (このIDを非表示/違反報告)
なのん - 更新早くーーー！面白すぎ！！つづきがきになる(>∀<) (2015年2月8日 8時) (レス) id: 2357c02e3c (このIDを非表示/違反報告)
悠 - この小説良いですね！更新頑張って下さい！！応援してます！！ (2014年9月30日 21時) (レス) id: 266b54b8e8 (このIDを非表示/違反報告)
のほほん族(プロフ) - 私、この作品好きです。更新頑張って下さいね(^o^) (2014年9月27日 22時) (レス) id: c0269819b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆粒 | 作成日時：2014年9月16日 7時
