お兄ちゃん、おかしいよ…？[ヤンデレ] (ページ18)

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第十七話ページ18

今日も今日とて、学校から帰る。

玄関を開けて靴置き場を見ると、見慣れた兄の靴が無い。

ドクリ。

心臓が激しく脈打ち出した。

胸元を強く握り締め家の中へと入る。

するとリビングの机の上の置き手紙が目に入った。

〈今日は大学で遅くなる。遅くても9時くらいには帰ってくると思う〉

それを見て、ほんの少し肩の力が抜けた。

今の時刻は6時30分。

…大丈夫。2時間半くらい。

我慢出来る筈だ。

そう思っても動悸は早まるばかり。

貴方「すぅー…はぁー…
大丈夫、大丈夫。

……治まってよ…！心配かけないようにお兄ちゃん離れするんでしょ！？
治まれ！治まれ…！」

自己暗示する様に何度も呟き、トントンと自分の胸元を拳で叩く。

すると唐突に、携帯が大きく鳴った。

突然の事に体がビクつく。

何だと思い、携帯を取り出して開くと、彼からの着信だった。

貴方「(坂本君…？)」

通話ボタンを押して耳に添える。

貴方「…も、もしもし…ッ」

坂本「やっほー…って、A、どうしたの？何か息切れしてるけど…」

貴方「っ、ううんっ！な、なんでも、無いよ…！
…ぅ、…けほっ」

坂本「…熱でもある？」

貴方「だ、からっ……
な、んでもな…っゲホッ…ぅ、ゴホッ……く…」

坂本「…何でも無くないだろ！絶対大丈夫じゃない！
今家なんだろ？どこ！？今すぐそっち行く！」

息切れをしながら自分の家の住所を言うと、すぐ行くと言って電話が切れた。

私は座り込んで必死に動悸を抑えようとした。