-Sugar High-【紅一点:YG】 (ページ34)

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夢かも知れない‥‥【YG】ページ34

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YG side

ジンヒョンに話を聞いてもらったからか、胸につっかえていたものが不思議と少し取れた気がした。Aがヒョンのとこに行くのも分かる気がする。

そんなことを思いながら階段を下りてリビングに行くと、クッションを抱えソファに座っているAがつまらなそうな表情でテレビを観ていた。俺が来たのにも気付いていないようで悔しい。その隣にわざと大きな音を立てて座ってやると、驚いてこっちを見たAと目が合った‥が、すぐにそれは逸らされ、またもテレビに奪われてしまう。

『教えてくれる気になったの？』

「‥お前こそ俺に言いたいことあるんじゃねえの。」

『な、無いし。』と分かりやすく目を泳がせる彼女からリモコンを引たくり、テレビを消す。煩わしい雑音が消えた部屋には「ヒョンには言ったくせに？」と俺の声が響いた。

『‥呆れたりしないって約束してくれるなら言う。』

「分かった、約束する。俺も、ちゃんと話すから。」

もっと早くこうするべきだったんだよな、とヒョンに言われて今更気付いたことに一人自嘲する。

『恥ずかしいってのは本当、だって私が撮影してる時、いつもユンギと目合うんだもん。でもそれより‥』

そこまで話すと俯いて目先にある俺の指をいじり出したので、そのまま自分の指にAの指を絡める。

『明日のメイクスタッフさんの中にいつもユンギのことばかり聞いてくる人がいて、好きな女性のタイプとか‥今度は手紙渡して貰えますか？とか。』

「は、」

『きっとユンギのことが好きなんだね』と、伏せ目がちに予想だにしなかった事を呟くAに開いた口が塞がらない。

「それ聞いて、Aはどう思ったの」

『嫌だな、って。ユンギと会わせたくないな、って思っちゃった。そんな権限、私にはないのに、』

「なんで。なんの権限だよ。」

『オッパがね、それを言っていいのはユンギの彼女になった人だけだよ、って』

なんてこと言うんだあのヒョン‥。余りにも直接的過ぎないかと思ったが、同時にAの気持ちを確かめるチャンスだぞ、という粋な計らいなのかもしれない。

「Aは、俺の彼女になりたい？」

『‥分かんない。でもユンギが女の人といるところ、あんまり見たくない。』

ぴたりとひっつく体温と甘い匂いが眩暈を誘う。それはもう答えを言ってるようなもんだろ。俺、自惚れてもいいよな。どう足掻いたって俺はお前じゃなきゃダメなように、お前も俺じゃなきゃダメなんだって。

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