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「Aはユンギに何でついて来るのか、ってちゃんと聞いた？」
『勿論です。じゃあ何ででも、って理由を言ってくれないから‥何回も聞いてたら変な空気になっちゃって。』
「それで僕のところに逃げて来たんだね。」
『それだけじゃないよ、最近オッパと二人きりってなかったじゃないですか』とムッと唇を尖らせるAが余りにもいじらしくて、ギュッと抱きしめる。
「オッパに任せときな。でもその前に‥」
「ユンギに来て欲しくないってのは、本当に恥ずかしいって理由だけ？」とAの耳元で囁いてやると腕の中で体をピクッと反応させた彼女。潤んだ目で僕を見上げると『オッパって本当に意地悪だね』と、愚図ついて僕の首に腕を絡ませてくる。あともう一息だな。
「僕の目は誤魔化せないよ。言ってごらん。」
さっきよりとびきり甘い声でその先を促してやると、僕にしか聞こえないような声でAがボソっと白状した本当の理由に口角が上がる。ちょっと待ってて、と彼女の頭を一撫でしてから自分の部屋でもあるユンギの元へ向かうことにした。
・・・
「てことなんだけどユンギヤ。何で明日のAの撮影について行くのか、ヒョンに教えてよ。」
YG「マジでヒョンのとこ行ったのかあいつ‥。で、ヒョンは何でそんな楽しそうなんです？」
二人の部屋のスペースを仕切ってる本棚の向こうを覗けば自分のベッドで脱力気味に寝転がっていたユンギ。不貞腐れている彼に先程までAと話していた内容を伝えると、ぶつぶつ何か言ったかと思えばキッと僕を睨んできた。
「え、そう見える？まあ、楽しいか楽しくないかと聞かれたら楽しいね！(はじける笑顔)」
お前たちが可愛すぎて、とは言わなかったが察したのか、今度は若干引いた目でこちらを見てくるユンギ。僕は慌てて咳払いを一つし、話を続けてくれと言うと‥
YG「‥じゃあ言いますけど。明日の撮影チームの中に、確実にAのこと狙ってる下心丸出しの奴がいるんですよ。勿論A自身は気付いてないから俺が言ったところでそこまで真剣に受け止めないだろうし。だから何か間違いが起こらないよう俺が監視役としてついて行くのは当たり前のことでしょ。俺、なんか間違ってます？」
そう一息で言ってのけるユンギに今度は僕が面食らう番だ。何でお前が明日の撮影チームを把握してるのとか、色々気になるところはあるけど、Aが狙われてるだって？その一言に僕にも衝撃が走る。
「詳しく聞かせて」
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作者名：mitsu | 作成日時：2021年7月19日 23時
