-Sugar High-【紅一点:YG】 (ページ28)

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Twilight Dream‥‥【YG】ページ28

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YG side

「駄目そう？」

Aの前だといつもそうだ、と周りからよく言われるが実際自分の声が甘く、優しいものであった為、成る程これかと納得する。でも好きな女を目の前にしたら誰だってこうなるだろ。

『最近また朝がくるのが怖くて眠れない‥もうこのまま今ごと連れ去って欲しくなる。』

でも一人はいやだ、とAは俺の胸に顔を埋め、今まで停滞していた感情を吐き出すかのように嗚咽をもらし始める。昔から彼女の聞き役に徹してきたジンヒョン、当時俺はそんなヒョンがとても羨ましかった。いつだったか突然『ユンギにしか言えないこと、たくさんあるよ』と、彼女のもっと深い胸中を吐露されるまでは。

普段は気丈に振る舞うAだが、時折こうして自分の闇に飲み込まれそうになると決まって俺を呼ぶ。今更驚くことはないが弱ったAを見るのは何より辛く未だ慣れない。

「‥一人になんてするかよ。お前こそ俺を置いていこうとしてるだろうが。」

『違うよ。明日なんて簡単にくるのに、ここが終わりかもって疑っちゃうの。』

だから怖い、と呟く彼女が本当に何かに連れ去られてしまいそうで、今にも消えてしまいそうで、柄にもなく恐怖を覚えた。

『ユンギは‥もし、目の前から私がいなくなったら私の名前を呼んで探してくれる？』

「当たり前だろ。俺はもうお前がいない世界なんて考えられない。」

「それに、例え話だとしてもそんなこと言うなよ‥聞きたくない。」

『‥、何でユンギが泣きそうになってるの』

Aの冷たい指先が知らないうちに熱を持っていた俺の頬に触れる。お前のせいだろ、とキツく根こそぎ抱きしめてやると苦しい、と腕から出ようと身じろぐが、そんなもん俺の知ったことじゃない。

「‥前言ってた、部屋がプラネタリウムになるってやつ買うか？」

暫く考えた素振りを見せた後、Aはううん、と首を振る。間をあけずに『ユンギが傍にいてくれるなら星なんて見えなくていい』と可愛いことを言うので、「そうかよ」とその甘い鼻先に唇を落とす。

俺たちは、影を追わない限り光は見えてこないって事をよく知っているから。だからこの先ずっとAに降り注ぐものが何だろうと、俺の此の手で必ず守るって決めている。言葉にならない夜だって幻に変えてみせる。

「どうしようもなく好きだな‥」

口をついて出た言葉は夢現の境にいる彼女に聞こえただろうか。どちらにせよちゃんと伝えるから。変わらず俺を必要としてくれよ。

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