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ファズマと ページ21

ファズマ 「だからレンには気をつけろと言っただろ」




キーラ 「せっかくご忠告いただいたのに申し訳ありません、しかしレンとわかる前に引きずりこまれてしまって」




ファズマ 「それはしかたないな、あいつに力で敵うわけないしな」



キーラは右手首をさすった、左手は義手のため痛くはなかったが右手は動かすと痛みがはしった。



ファズマ 「手袋をはずしてみろ」



キーラが手袋をはずすと右手首におおきなアザができてしまっていた。



ファズマ 「これはひどいな、医務室で見てもらった方がいいぞ」



キーラ 「でもハックス将軍に知られたくないので、これくらい大丈夫です!」




ファズマ 「隠し事はよくないぞ?」




キーラ 「でも、将軍がレンに文句でも言ったら殺されてしまうかもしれません、今のレンならやるかもしれない」




ファズマ 「んー、確かにそうだな……じゃあ氷だけでももらってくる、少し待っていろ」



キーラ 「そんな!自分で行きます!そこまでご迷惑をかけられません!」


ファズマ 「迷惑だなんて思ってない、私がそうしたいだけだ、待っていろ」



キーラ 「…ありがとうございます」




ファズマはすぐに氷を持ってきてくれて手首を冷やすことができた、キーラは思いきってファズマに自分の事を話した。




ファズマ 「事情はわかった、それで、お前はどうやってレンをあちら側につれていくつもりなんだ?」



キーラ 「今のところ全くわかりません……」




ファズマ 「レンに限らず、皆が求めていものが何かわかるか?」



キーラ 「なんですか?」



ファズマ 「私は心の平安だと思ってる。」



キーラ 「心の平安?」


ファズマ 「全てに満足している状態だな、もう何もいらない、永遠と今現在が幸せな状態だ。」


キーラ 「なるほど……それにはどうしたらいいんですか?」


ファズマ 「それがわからないから皆が戦うんだ」


キーラ 「戦って手に入れたもので心の平安が訪れるんですか?」



ファズマ 「それもわからないんだ、人によってどうすれば心の平安になるのかも違うだろうし、とにかく必要なことは」



キーラ 「必要なことは?」



ファズマ 「自分の気持ちに耳をしっかり傾けること、自分に嘘をつかないことだな」



キーラ 「…ファズマさん、すごいです!」



ファズマ 「って言っても私もまだ手にいれてないんだけどな」

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作者名:chibamituki | 作成日時:2019年12月15日 11時

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