20話 ページ21
白石side
病室を出ると目の前には、下を向いてまるで1本の棒のように立っている人間がいた。
金太郎「‥‥」
下を向いていて、表情は分からへんけど、今の金ちゃんの事を俺は分からずにはいられへんかった。
白石「金ちゃん」
金太郎「‥‥」
名前を呼んでも顔をこっちに向けへん。
まるで、俺の言葉を聞こうとしてないみたいや。
「金太郎」
するとはっと顔を上げ、俺の顔をはじめて見た
その顔は、
涙で壊れそうなほど歪んでいた
金太郎「‥‥ごめんなさい‥‥‥‥ごめんなさい‥‥‥‥‥‥ワイは‥‥‥‥ワイ‥‥‥‥‥‥‥‥」
消え入りそうな声で、狂ったように謝罪の言葉を繰り返す彼の姿は、いつもの彼とはとてもかけ離れていて、思わず目を伏せたくなった。
金太郎「ワイが全部悪いんや‥‥あの時あんな技使わへんかったら‥‥未完成の技やって知ってたし、使ったらどうなるかくらい分かってたんや！！！」
今にも崩れてボロボロになりそうなその身体は酷く上下し、洪水にでもなったように水を流し続ける。
金太郎「ワイ‥‥何でもする！！！Aの代わりに痛いの全部貰うから！！！なあ、白石！！！Aを治してェな！！！」
俺の服に掴みかかり、しわくちゃの顔を更に引き寄せ叫ぶ。
白石「スマンな‥‥俺は医者やないし、魔法使いでもないねん」
ゆっくりと言葉を絞った。
金太郎「‥‥」
･
･
･
その後金ちゃんは‥‥
Aのいる病室には入らずに、力の入らないその体を引きずるようにして、去っていった。
叱るべきやった。故意では無いにせよ、金ちゃんがしたことは人を傷つける結果になった。
それに、俺自身の怒りもあった。
けど、せやけど、それが出来なかった。
‥‥それ以上に、あの金ちゃんを見て怒ることが出来なかった。
‥‥ほんま、自分の不甲斐なさを実感するわ。
‥‥‥‥A
Aは、まだ知らんやろ？
俺が、どれだけAの事想ってるか。
俺な、もうAのこと自分でも分からへんくらい好きなんや。
せやから、はよ戻っておいで
今度Aが目ｴ覚まして、一番最初に抱きしめるんは、俺やから
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ヨネスケ - 一番最初に抱きしめる！?続きが気になります！！！頑張ってください！待ってます！ (2020年7月4日 18時) (
レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - おもしろいです！！更新頑張ってください！応援してます(о´∀`о) (2015年7月11日 23時) (レス) id: a0e686486e (このIDを非表示/違反報告)
マナミ - 財前君落ちがイイです！ (2015年7月7日 17時) (レス) id: d361bbaa92 (このIDを非表示/違反報告)
うたう - 夢主が倒れた!?あ、私は財前君落ちが良いです!!更新頑張ってください!! (2015年6月7日 12時) (レス) id: 0e35da80b3 (このIDを非表示/違反報告)
あいすぷりん - 楽しみにしています！オチは白石がいいです。お願いします！ (2015年5月17日 14時) (レス) id: c0e5c18174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仙人 | 作成日時：2015年4月13日 19時
