西くんと【1】

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『たかひろ〜、おかえり！』



「…ただいま」



『ご飯は？食べてきた？』



「…いらねぇわ。」



『…そ、そっか！お風呂入る？』



「ん。」



付き合い始めてもうすぐ2年



最近はこんな生活が続くばかり



家でもまともに話さないし、疲れて寝てしまう



眠たい目をこすって起きていてくれてるのを知ってるのにも関わらず、俺は冷たい態度をとってしまう



…冷めてきているわけではない。



どんなときも彼女は



『隆弘、お疲れ様！』



『明日も頑張ってね！』



ずっとそばにいて、励ましてくれてると思ってた



でも、現実はそんなに甘くはない。









「ただいま〜」



いつものように帰宅する



シーンと静まり返ったリビング



『おかえりっ！』



眩しい笑顔で出迎えてくれるAもいない



しばらくすると寝室からAが出てきた



『…ねぇ、隆弘。』



「…ん？」



俺はスマホをいじりながら返事をする



『私たち…もう別れよ。』



「…はっ？」



急すぎて、変な声を出してしまった



「別れるって、なんで…」



『…これ。』



Aがスマホを差し出してくる



「…は、なんだよこれ。」



“AAA西島隆弘ついに熱愛！？”



“AAA西島隆弘、大物女優と夜のデート！”



大きな見出しが画面をかざっていた

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