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惚れ薬:橙 ページ5

この恋は不毛だ

もう日々、と言っていいくらい感じている。

このオレンジ頭に恋をして一体何年たったんだろう。
ばかばかしいからやめよう、と何回思ったかもわからない。
時々家に行って普通に友人として過ごし、時には食事を作ったり家事を手伝ったりする。
毎日毎日違う女を抱いて、私の方なんて見向きもしない。せめてその一人になった方がまだマシだとも思う。
そんな現状に頭を抱える日々だ。


『A〜?』

「何〜?いまキッチンだよ」

『見てこれ〜〜〜!早く〜〜〜!!』

部屋にいるてつやが私を大きな声で呼ぶ。
洗い物をしていたけど、中断しててつやの部屋に向かう。

「なに?てつや」

『A!やっときた。みてこれ!』

「?」

なにやら小さいビニールに入ったタブレット?錠剤?のようなものを見せられた。
何も知らない私はついにこのバカは法的にいけないものに手を出したのかと一瞬頭をよぎった。

「てつや…あんたついにそんなものを…バカだとは思ってたけど、そんなものには手を出さないと思ってたわ…」

近頃ニュースで話題になっていたのもあり、本当に呆れたという顔をしていると

『え!?めちゃめちゃ勘違いされとらん?これやばい薬じゃないんだけど!ちょっと!!』

「え?」

『だーかーらー!違うの!』

「じゃあ何なのそれ」

『聞いて驚け!これは! 惚れ薬〜〜〜!!』

有名な青いネコ型ロボットの昔の声を真似してなのかダミ声で言った

「…ほう?」

『も〜〜〜!驚けよ!もっと!!』

「いや無理でしょ」

『すげえんだぞ、これは!!!』

「じゃあ目の前で飲んで証明でもして見せてよ」

本当にそれが惚れ薬だったらいいのに。
私の目の前で飲んでそのまま惚れてくれたらいいのに、なんて柄にもなく乙女みたいな事を考えてしまった。

『これめちゃめちゃ高いんだぞ!!な〜〜んで俺が飲まないといけないの!!』

「てつやに惚れさせたい人なんていたの?てかじゃあてつやはもう好きなのね」

聞いた声が少し震えた

『誰だっていいだろ!…Aには内緒だよ』

「ふーん、まあ頑張りなよ。効かないと思うけどね、そんな惚れ薬なんて」

.→←作者より



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ぴー - めちゃくちゃ面白いです!てつや推しなので続き楽しみにしています! (2019年7月16日 22時) (レス) id: 59f63f878e (このIDを非表示/違反報告)
どきんちゃん(プロフ) - とても面白かったです!更新を楽しみにしてます(^O^) (2019年7月3日 22時) (レス) id: ba9a14801d (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - てつやさんのお話、とても面白かったです!もっと読みたくなりました!またオレンジ作品をよろしくお願いします! (2019年3月30日 1時) (レス) id: 318cc8d8b4 (このIDを非表示/違反報告)
chi21(プロフ) - かなと様 再度大変失礼しました。変更いたしました。 (2019年3月21日 22時) (レス) id: 54f7071578 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - まだ外れておりません。コメント欄の上、設定キーワードの一番右にオリジナル作品とあります。再度編集画面をよく読まれて下さい (2019年3月21日 21時) (レス) id: c596c0896b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どら | 作成日時:2019年3月21日 20時

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