東海の彼らと

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そのまま舌が入り込んできて、口に入れられたものも、ミルクティーも飲み込んでしまった

「っちょっと！なにしてんの！」

今の私はきっとてつやに何か得体のしれないものを飲まされたこと、よりも理由はどうであれ口移しをされたことに驚いている

『もう、こうでもしないと……ダメやん、もう…』

頭をかきむしりながら話続ける

『ねえ、はよ俺のことみてよ…誰の事見てんの？ずっと、俺はAの近くに居たいのに…そのじゅんってやつがいいの？抱きしめられた？キスした？……』

”もう抱かれた？”

ここまで聞いて、私は何が起こっているのかあまり理解が追い付いていなかった

『……これ、いつ効いてくるんだろう…』

この言葉で何を飲まされたのかようやくわかった

「！？さっき飲まされたのって…！」

惚れ薬とか言っていたあの怪しい錠剤だ
てつやが手で顔を隠して指の間からこっちを見てくる

『そうだよ、さっき見せたやつ。いつまで経っても全然俺のことなんて見てくれんから、もう、最後の手段で使うしかないやん。ねえ、俺のこと好きになった？見てくれる気持ちになった？そいつより俺の隣におってくれる？』

ずっと好きなのに…

てつやは抱きしめながら囁く
多分酔っている、お酒の匂いがするし、少し体温も高い
この状況に私が酔ってしまっている
だめだ、だめだ、伝えるって決めたんだ
聞いてもらえるかはわからないけど…

「ってつや！」

力いっぱい抱きしめられているから私の力では解くことができない

聞きたくないのか、酔っていて聞こえないのかはわからないが体制はそのままで私は話を続ける

「聞こえてたら聞いてほしいけど…私、長い間ずっとてつやしか見てないよ。他の女の子と付き合ってる時も、色んな女の子と遊んでる時も、ずっとてつやがすきだったよ…、恥ずかしくて、ばれたくなかっただけ…ずっとただの幼馴染だったから、関係が壊れるくらいならこのままでいいやって、思ってた。」

聞こえているのかな…てつやはピクリとも動かないまま私を抱きしめている

「だから、惚れ薬？なんか飲ませたって無駄だよ！」

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