不 幸 な 結 婚 式

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「俺、Aのことほんまに愛してて……」


照れくさそうに、それでも切なそうに話し始めた大毅。


「でも、普通の愛してるとかじゃなくて……。Aを失ったらどうしよう、他の男に取られたらどうしよう………って」


望は顔をしかめた。いつだったか大毅に感じた恐怖。Aへの束縛……。


「それである日、俺は、寝てるAの首を絞めた。殺したら、俺だけのものになると思って……」

「大毅………」

「ごめんな、A。俺、最低やんな」


己を嘲笑う大毅を、Aはただ睨んでいる。大毅に怒っているわけではない。


自分自身の情けなさに呆れているのだ。


「謝るのは私だよ……。大毅、苦しかったよね」

「…………A……」


警察は、どうしたものかと互いに顔を見合わせている。


―結局、誰も逮捕はされず、大毅も退院し、普段通りの平穏な生活が戻ってきた。


「大毅、お腹空いた？ご飯作ろうか？」

「ん〜…A食べるからええわ」

「……………もう」


大毅と耕助が実の親子であることは、誰も大毅に言わなかった。


大毅もAも幸せを感じていた。




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