あの日失った恋を【名前変更オリジナル】◎TTK (ページ4)

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LoveStory-4 ページ4

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「VACATION」と大きく見出しが付けられた
分厚い雑誌の表紙には、

昔から変わらないちひろの笑顔と、

今テレビで引っ張りだこのあすみさんが笑っていて。

俺がこの雑誌に巡り会えたのも、

全ては里穂の家にコイツと遊びに来ているから。

公輝「ちひろちゃん可愛い～♡」

相変わらず、声はデカいわ、終始テンションは高いわ…

本当、公輝にはついていけない。

里穂「こんなに偉大になるなんてね。

昔はちひろのあんな性格で

本当にモデルなんてやっていけるか心配だったけど。」

公輝「本当に！ちひろちゃんってふわふわしてたよね？」

里穂「そう。どこか穏やかっていうか。」

ちひろが夢を叶えたのは嬉しいけど、

やっぱりどこか胸が痛いというのには変わりなくて。

ほら、今だって公輝が

パラパラページをめくる度に見えるちひろの姿が愛しくてしょうがない。

世間一般では、これを恋なんだっていうけど、

こんな叶わない恋…
追い続けてたって意味が無い。

逆に追い続けてたって、自分の無力さが惨めになるだけだろ。

里穂「竜一、ちひろに会いたいんじゃないの？」

昔からそうだった。

里穂には何でもかんでもバレて。
隠し事なんてできなかった。

竜一「会いたい…けど。」

公輝「俺も俺もー！」

そう言うと、里穂は悪戯そうに微笑んで、スマホを触って。

そしたらまた、「VACATION」の文字が大きく書かれたウェブページを見せてきた。

里穂「村田ちひろちゃんの地元を、あんちゃんと一緒に巡ります！

観覧オッケーなので、是非撮影に遊びに来て下さい！だってさ。」

神様…俺はこれ以上叶わない恋を求めてもいいの？

一瞬だけでもちひろの姿を見ちゃったら、

また封印してた想いが解き放たれそうだよ…

そんな迷いと葛藤してるうちに、

公輝はルンルンな表情に変わっていて。

ああ、俺の気持ちなんて受け止めずに、
行くことになったんだろうなって。

公輝の表情はもちろん。

里穂の笑顔を見て分かった。