LoveStory-3 ページ3
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家に帰ると、
真っ先に向かったのは、もう古くなったものの集まった押し入れで
開けてみると少し古臭い匂いが漂った。
その押し入れを漁って取り出したのは小学校の卒業アルバムで、
取り出した理由は、他でもないちひろの姿を見るため。
開いてみれば、ぎこちない俺の笑顔だったり、里穂の笑顔だったり。
目に付くものは色々あったけど、
やっぱり一際目立つのはちひろだった。
自然だけど、どこか自分を分かっているようなその笑顔が
男心を痛いくらいにくすぐる。
やっぱり、思えばあの時から他とは違う…
そんな特別なオーラを放ってたんだよな。
最初から…俺はちひろの地にも及ばなかったんだ。
切ない気持ちで、ちひろの個人写真をそっと指でなぞると
鞄に入れっぱなしのスマホがブルブルと音を鳴らした。
竜一「公輝かよ…」
面倒くさい…そう思って卒業アルバムを片付けながら電話に出た。
竜一「もしも…「竜一テレビつけろ！」人の声にかぶんなし。」
公輝「いいから早く！８チャンだぞ！」
どうせ、しょうもないアイドルが出てるような番組なんだろ？
公輝のことなんてすぐに分かるし。
そうしたら、案の定今はやりのアイドルが笑顔を振舞っていた。
竜一「やっぱり。アイドルだと思った。」
公輝「そうじゃねえよ竜一！」
竜一「そうじゃねえって………」
竜一「A……？」
カメラが切り替わったと同時に写ったのは絶対にちひろの姿で
すごく美人に成長していた。
だけど、あの頃のふわっとした雰囲気は全然変わっていなくて
あの自然な笑顔も昔のままだった。
公輝「ちひろちゃん……
本当に、夢叶えちゃったね。」
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作者名：ちい | 作成日時：2015年8月19日 22時
