あの日失った恋を【名前変更オリジナル】◎TTK (ページ19)

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LoveStory-19 ページ19

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走って走って、

もうどれくらい来たんだろ。

雪を踏みしめるじゃりじゃりした音が、

より緊張感を増す。

辺りを照らすイルミネーションは

まるで僕らを包み込んでくみたい。

ある程度人混みを抜けたあと、

俺はそっと止まり、ちひろの手を離した。

呼吸が上手くできず、どう説明したらいいのかも分からない。

だから、二人の呼吸だけ聞こえてくるこの瞬間は

幸せなのか、気まずいのか、

そんな気持ちが混ざってる。

ちひろ「竜一くん……？」

呼吸が落ち着いてきたとき、

チラっとちひろが上を向いて問いかけた。

竜一「そうだよ……」

そう答えたものの、その先がつづかない。

何ていえばいい？どう言えばいい？

何高校生みたいなこと考えてんだろ。

前を見たら複雑そうな顔をしているちひろ。

だから、もう勢いにのるしかなかった。

俺はちひろが手に握りしめていたスマホを奪って、操作した。

きょとん、としているちひろの手にスマホを返すと、

じっとそのスマホを見つめて

"何したの…？"と恐る恐る聞いてきた。

竜一「それ、俺の連絡先。」

ちひろは急いでスマホを開くと、

そこにはさっき登録したばかりの俺の連絡先が入っていた。

ちひろは、"山元竜一……"と読み返すと、スマホと俺を交互に見た。

竜一「もう…登録しちゃったから。

消すなんてさせない。

辛くなったら、電話して。」

人って、いざというときには

力がみなぎってくるのだろうか。

言わなきゃ、という反射神経に押されるまま

気づいたら口に出していた。

竜一「もう会えないかもしれないから言っとく。」

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竜一「ちひろ……好きだ。」