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side_Yugo
樹が大我を連れてきてから半年が経った。
大我の存在は瞬く間に街中に広まり、大我は
傘下の奴から"姫"と呼ばれるようになっていた。
…まぁ、本人はあんまり気に入ってないけど。
｢…こーちぃ｣
｢ん？｣
｢樹まだ？｣
｢あー…そろそろじゃない？｣
倉庫のソファに寝そべりながら退屈そうな顔を
している大我。
かれこれ2時間くらいこの体勢で喧嘩の仲裁をしに
出た樹を待っている。
｢遅くない？｣
｢まぁ確かに。でもジェシーも行ったから
大丈夫だよ｣
喧嘩の仲裁をするつもりが、いつの間にか
喧嘩の中心人物にでもなっているとか、
そんな所だろう。
よくあることだと呑気に考えているけど、
大我は心配で仕方がないらしい。
さっきからずっとソワソワしている。
｢……俺、行ってくる｣
｢大我、大丈夫だから｣
｢でも…｣
｢大我が行ったところで何ができるの？｣
そう言うと大我はプクーッと頬を膨らませ、
浮かせた腰を再びソファに戻した。
｢大我の役目は樹が帰ってくる場所を守ることなの｣
｢その役目、本当に樹の役に立つ？｣
｢もちろん。樹、大我と出会ってから前ほど
無茶しなくなったよ。自分には帰る場所が
あるって気づいたんじゃないかな？｣
大我が少し嬉しそうに笑って｢樹まだかなぁ｣
なんて言っていると、ちょうど樹とジェシーが
帰ってきた。
案の定、2人は喧嘩の仲裁なんてものでは無いほど
傷だらけだ。
｢おかえり！｣
そんな2人…というか樹に大我は勢いよく
抱きついた。
｢ちょ、待っ…ぅげぇ！｣
｢大我！樹ケガしてるから！！｣
｢AHAHAHA！！！樹痛そっ！！｣
周りの声が聞こえないほど樹の帰りに喜ぶ大我は
そのままずっと樹に抱きついたままだった。
困った顔で、でも嬉しさからのニヤけが隠せて
いない樹と、｢俺は？｣とでも言いたげに俺を見る
ジェシーと3人で顔を見合わせて笑った。
そして樹がソファに座ると、大我は樹の膝の上に
寝転がってそのまま眠ってしまった。
｢…普通逆だろ｣
｢安心したんじゃない？ずーっと心配してたから｣
｢そっか…｣
樹は大我の頭を愛おしそうに撫でる。
樹がこんな顔を見せるようになったのは大我と
出会ってからだ。
｢無理させてんのかなぁ…｣
｢大我にとってはそれも幸せなんじゃない？｣
｢…そんな人間にはさせたくないけどな｣
樹は眉を下げて、少し寂し気に笑った。
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Ab - Chewing gumすごく面白かったです！ 一番好きな部分は樹がいなくなったあとのきょもほくの部分です！ 終わり方は本編の方が好きだけど、おまけのもとても悲しいというか…切ない気持ちになりました！読み終わってしまったので、続編期待です(*´∇｀) (2020年6月4日 22時) (
レス) id: e4fda0cb3d (このIDを非表示/違反報告)
りー、(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごく引き込まれて、最後号泣しました、、また読ませていただきます！ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 58a48f28a2 (このIDを非表示/違反報告)
E2pcw68JoClAW94(プロフ) - 最後に素晴らしい作品と出会えてとても嬉しく思っています！！新作も読ませていただきます！ (2020年4月2日 9時) (レス) id: 73e14c48e0 (このIDを非表示/違反報告)
E2pcw68JoClAW94(プロフ) - 完結おめでとうございます！どちらの終わり方もきょもと樹らしい終わり方だなと思います！44の最後の細身の男性は誰だったのか気になります。慎太郎なのかなと思う気持ちと細身だから違うのかという気持ちがあり、気になってしまい質問させていただきました！ (2020年4月2日 9時) (レス) id: 73e14c48e0 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 完結おめでとうございます。そして素敵な作品をありがとうございました。きょも樹が大好きでこの作品は特に引き込まれました。ぜひまた機会があればきょも樹の作品を作って欲しいです。これからも頑張ってください。 (2020年3月6日 0時) (レス) id: d7589ab1a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年9月15日 16時
