30.欲 ページ30
「…………」
………落ち着かない。落ち着かなかった。彼女が今あの男と何をしているのか気になって仕方がなかった。
今日さえ終われば元に戻れるなんて思いは早々に打ち切られた。そんな簡単なものじゃなかった。
さっきあの男が彼女にキスしようとしたのを見て、本能的な怒りが沸いた。殺してやりたい衝動に駆られた。
…思えば、ここ数日彼女とずっと過ごしていた。…離れるとこんなにも彼女を欲してしまうものなのか。
いつもならこんなことはない。彼女だから…だ。
「………」
…結局ボクは、どうあがいても彼女が好きなんだ。
でも……彼女がどうしようもなく好きだと気づいたところでボクに出来ることは何もない。
あの男が着いてる限り、ボクから彼女と話をすることは出来ないし…それに、ボクは…ボクが変わってしまうのが怖い。
だから、彼女と逃げることが出来ないことに変わりはなかった。
……でも、もう一度彼女と話したかった。話して…可能なら、ボクは一緒に逃げられない、と伝えたい。こんな曖昧に別れたくなかった。きっと、彼女とはもう会えないだろうから。
「なぁヒソカ。お前のとこの商品、そうとうなものらしいじゃねぇか」
「………」
「無視すんなって！で、どんなモノなんだよ…！」
「……………」
隣の監視の奴がボクに絡んできた。
今のボクには心の余裕がない。…イラついた。殺してしまおうか、という考えまで浮かぶ。
だけど一応仕事"仲間"だ。ボクは成績優秀な監視員、静かに心を落ち着ける。
「おい、ヒソカ！聞いてんのかよ！」
…心を落ち着ける。には沈黙は適さなかった。
「…仕事中だろ」
「オレより10歳以上下の子供が堅くなんなよ。…今ここにはオレたちしか居ないんだし、いいだろ？」
「……出荷されるならどっちにしろここを通るだろ。そのとき見ればいい」
「あ、それもそうか！」
考えればすぐわかるだろ。と言う言葉はしまう。これ以上こいつと会話すること自体が嫌だった。
ボクは所謂"搬入口"の監視をしていた。ここから商品が開場へ運ばれる。
因みに今は夜中だ。……あ、彼女は今朝だと思ってるのか。
「…………」
外を見たらどんな顔をするだろう。
考えて頬が上がるのを感じた。
「…どうして、なんで…」
悲痛な声に顔をあげる。女だ。こいつも商品だろう。
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キヨラ - これからもがんばってください。 (2018年10月23日 18時) (
レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 花菜さん» そう言って頂けると嬉しいです！続編まで行きました！引き続きお楽しみ下さい。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - sataroさん» 励みのお言葉ありがとうございます！続編まで行ったのでお楽しみ頂ければ幸いです。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - すごく面白くてとても続きが気になります！！更新がんばってください！(*´∀｀*) (2018年3月21日 14時) (レス) id: b7876a4134 (このIDを非表示/違反報告)
sataro - 凄く読みやすく面白いので続きがまだかまだかと気になります笑更新応援しています！ (2018年3月15日 16時) (レス) id: 4a264aed23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年1月7日 2時
