40.おやすみ ページ40
「………ッチ」
『！』
舌打ちしたかと思うと自分の額の髪を避けてみせるフェイタン。
「……はやくするね」
…………なんて可愛いんだこのやろう。
出来ればこの光景を暫く眺めていたいくらいだが、それをしたら今度こそ嫌われそうなので素早くキスをする。
そしてフェイタンも素早く私にキスをした。
本人は早く終わらせたかったからなのだろうが、わざわざ前髪を掻き上げて私にキスをする様はむしろ可愛さが引き立っていた。
私は今、満面の笑みだろう。
『それじゃ、最後はクロロ少年だね』
クロロ少年は私の前に来る。…少しだけ不機嫌に見える。
…嫉妬、かな。
『少年、嫉妬かい？』
「そうだね」
素直なところからみて結構な嫉妬みたいだ。確かに、今まではクロロ少年しか私にキスをしたことはなかったもんな。
…ん？
『…ああ、そっか』
「……」
『私からしたことは無かったのか』
クロロ少年は顔をあげる。なるほど、嫉妬の核はこれか。
思い返してみても、クロロ少年が私にキスをしたことは何度もあるが、私からした記憶はない。
…それは悪いことをしてしまった。なんならマチの前に、まずクロロ少年にするべきだったかな。
やはり、子供は難しいな。
『少年』
「…なに」
『ごめん』
私は少年を抱き寄せる。
「…別に気にしてないよ」
『嘘つけい』
散々嫉妬心剥き出しにしといてなに言ってんだか。まぁ、きっと私を気遣っての言葉だろう。
『クロロ少年』
私は少年の額に優しくキスをする。
「……おやすみ、A」
そして少年からもキスをしてもらう。それと同時に急激な眠気。
…王子様のキスは目覚めるためのものだろうに…なんて思って内心笑うが、そもそも王子様なんてものはいないか、と納得する。
彼らは王子様というにはあまりにも可愛すぎる。
そして私は、お姫様というにはあまりに可愛くないのだ。
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通りすがりの変化系能力者 - 文が周りの事をしっかりと表していていいと思います。主人公の独特の雰囲気が好きです。格好の描写は髪と眼と洋服しかありませんが、それでも主人公の不思議な雰囲気が想像できます。主人公が夢だと思っているあたりや教会などの設定も神秘的でとても気にいっています。 (2018年3月28日 14時) (
レス) id: 3ef5cb02f9 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - みささん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて何よりです！続編に行ったのでそちらも是非ごらんください！ (2017年11月9日 7時) (レス) id: 2cee95d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - フェイタン天使さん» コメントありがとうございます！これからも切なくそつなくやってきますよー！続編に行ったのでそちらもご覧下さい！ (2017年11月9日 7時) (レス) id: 2cee95d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - クロロの嫉妬が可愛すぎる！！これからがメッチャクチャ楽しみだ〜！更新頑張ってくださいね〜！ (2017年11月5日 5時) (レス) id: 2fd08190e0 (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - ああああああああ切ない(´；ω；｀)だけど面白い！！！！！本当にみんな可愛すぎる。クロロの嫉妬も可愛い！！フェイタンとマチのツンデレあざます！！！更新待ってます(*`･ω･)ゞ (2017年11月3日 9時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2017年9月19日 7時
