203._静かな音 ページ8
屋上につくとそこには一人の女性がいた。小柄で丸い帽子を被り、前歯が口からはみ出していた。怪しい見た目だが、雰囲気が柔らかい。キルアをみたときも笑みを浮かべていた。
女性は"センリツ"と名乗る。彼女は恐ろしく耳がいいのだと続けた。さっき、キルアが呟いたのはセンリツに指示をしたものだったらしい。雨で、ただでさえ離れていて小声だったにもかかわらず聞こえたのだという。私でさえ隣にいても耳をかたむけていたのに。
「雨音で内容は聞きとりずらいけど、確かにあの敷地内で話してる声がする。足音からみて相手は5·6人、女も混ざってる。こちらとは反対側に向かってるわね」
センリツの言葉に私とキルアは驚く。そこまで聞き取ることができるなんて。
センリツは"そういう能力だから"と答える。どう修行すればこんな能力になるのか。特質系か、耳を強化していると考えると強化系。まぁ、多分特質だろう。
旅団が移動していることがわかり後を追う。…およそ半分が今のタイミングで移動をしている。……なんのために。オークションには早い。彼らにしても顔が割れている以上人目は避けたほうがいいだろう。反対側に歩いているならこちらに気づいた訳でもない。……目的があって動いているとは思う。
「クラピカも大分せっぱつまってるみたいね。あたしにまで協力を頼むなんて」
追っている途中でセンリツが話す。キルアは首を傾げる。
「本当は全部一人でやりたがるでしょ、あの人」
「ああ、ああ確かにね」
クラピカの精神状態はよくない。…旅団を見つけて飛びかかっていかなければいいが。
「あなたたち……まさか殺し屋さん？」
また続くようにセンリツが言う。私もキルアも疑問を浮かべる。
「？"元"だけど、なんでわかんの」
「足音よ。こんなに近くにいてもestintoだから」
estintoは音楽用語。意味は会話からして静かな、ほとんど聞こえない、みたいなところか。
「ああ…クセになってんだ音殺して動くの」
「今まであった人の中で一番静かよ。すごい技術だわ。…あなたは？」
キルアを誉めた後私に視線を向ける。
「俺も似たようなことはやってるから、消すのには慣れてるよ」
「………」
センリツはなぜか少し目を開いて正面に視線を戻した。
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JRPG(プロフ) - また、いつもコメント本当にありがとうございます。ここまで読むのもなかなか大変だと思います…。全然レスをしてないのですが、ちゃんと読んでいますのでどうぞこれからも楽しんで頂けたらなぁと思います。 (2022年12月6日 11時) (
レス) id: 32ca7a2207 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。気付いたら話数が足りなくて続編にいきました。なんだかんだグリードアイランドもそれなりに書きそうな予感がしてます。それと、書き直し版(仮名)ですが数話分はできています。この速さに自分が一番驚いてます。 (2022年12月6日 11時) (レス) id: 32ca7a2207 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 更新ありがとうございます！パクの想いが染みすぎて、、本当にいつもありがとうございます♪ (2022年11月21日 17時) (レス) @page35 id: da53461c26 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 更新される度味わいながら読ませて頂いてます。この作品が本当に大好きです。これからも陰ながら応援しています。 (2022年11月21日 1時) (レス) @page35 id: 310888c201 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。いよいよ佳境です。前回同様、書いてすぐ投稿してるので可笑しいとこあったらあとで直します。とりあえずバンバン上げていきたいです。 (2022年11月16日 0時) (レス) @page28 id: 32ca7a2207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年10月16日 19時
