155._感情 ページ9
クラピカの眼が更に開かれる。…クラピカは否定を望んでいただろう。探し物。それが鎖使いではなく別のものだと。鎖使いだったとしても対立することはないだろうと。
『私は旅団を知っていたんだ。君に会うずっと前から。いつかこんな日が来ることも知っていた。…だから、ウボォーギンが死んだならそこに行きたい…。埋めたのはどこ？街の中ではないな。外……ここの周辺は荒野だったか』
ぴく、と反応したクラピカに答えを得る。…荒野か。それさえ知れればあとは見つかる。
「…何、言ってるんだA…、ちゃんと説明しろ。っ殺す必要はなかったはずだ。Aなら、全員を気絶させることだってできた。それにどうしてそんな嘘…」
クラピカの茶色の瞳の輪郭に緋色が見える。口調からしても興奮状態なのは間違いない。…向けられる戸惑いと激しい怒り。…それでいい。
『お互い理解するには時間がない。ノストラードが更なる要員をここに呼ぶかもしれないから』
「っ待て！！、やつらと関係があると知ってこのまま返すと思うか」
クラピカは私に手を向ける。怒りのままに任せた行動。…クラピカの戸惑いがよく伝わる。……痛いな。錯覚だとわかっていても、こればかりは無痛とはいかない。
『…クラピカ。もし私を捕らえる術があるなら、君はもう手をうっている筈。でもそれがない』
「……っ……」
クラピカは歯を噛み締める。
『………クラピカ、ウボォーは最後になんて言ってた？』
「！」
クラピカの瞳が揺れる。…ああ、聞いたのか。ウボォーギンの最後の言葉。
『心穏やかに逝けているといいのだけど』
「っ……待て」
クラピカの制止に足は止めない。
「待て！A！！」
さっきノストラードの呼んだであろう追っ手の感知の為に一瞬円をした時触れあっていた。見知った2つのオーラ。…むこうも気づいているはず。
私は階段へと向かう。
「っ……待ってくれ…A。…なら、ずっとオレを見てその様子を楽しんでたのか…？」
『………』
そうだったならもっと感情は簡単だったのに。
私の呟きは外の爆発音にのまれクラピカには聞こえなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
