碧は染まった4【H×H】

193._記憶違い ページ47

キルアにはアジトの監視という役割がある。ゴンとは街中で別れ先日捕まったアジトへと向かう。外は雨が降っていた。


_話がある。


……バレた要因はやはりライセンスか。見せたのは一か八かだった。見せなければ疑われていた。疑われればクラピカの話しは聞けなかっただろう。

歩いて少ししてキルアが話し始めた。

「さっきのライセンス」

足は止めず、私を見る。

「Aのだろ」
「……」

……どうやって返す。こうやって聞くということはキルアもまだ確証は得ていない。

「どうしてそう思ったんだ？」

私は驚いてから面白そうにキルアに言う。

「Aのライセンスは昔何回も見せてもらった。番号が一緒なんだから間違いないだろ」
「……………は」

私は驚く。本心から。…私はてっきり下3桁で気づいたのかと思っていた。私の受験した年はキルアの産まれた年。12年前と考えれば想像できる。……だからこそ確証はないと思っていた。

「番号が一緒って……12桁の数字を暗記してたのか？」
「何回もみてればその内おぼえるだろ？」

確かに、私がハンターだと知ったキルアは何度もライセンスをせがんだ。でも、もう何年も前の話。

…すごいな、と感心している暇はない。

「それで」

キルアの言葉に耳をすませる。…雨音が耳に張り付いた。

「Aになんて言われたんだ」

……………、うん？

言葉に出さなかった自分が偉い。

……キルアの言葉はまるで私がAではないみたいな。

「わざわざ分かるようにライセンスを見せたんだからなにか意味があるんだろ。…Aはオレに何をしてほしいんだ」

………

……あ、そうか。

キルアはマナがAに雇われたと思っているのか。確かに、私がAだと思う方が可能性が低い。

それよりもAと関係のある人物と思う方が確実。

……先読みしなくて正解だった。

バレていないとわかった以上、もう気を張る必要はない。

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