151._近しい存在 ページ5
「それがどうした」
『凄い腕だと思いまして。紹介して頂きたいんですよ。無理であれば居場所を教えてほしい』
「………」
ノストラードは口を結ぶ。…組員1人を犠牲に自分と娘が助かるならいいものだと思うのだが。…鎖使いはノストラードと親しいのかもしれない。もしくは重要な幹部。手放せばノストラード組の運営を損なわせる恐れがある。ノストラードが渋る理由はそれだろうか。
『ここに居ないのならいそうな場所。名前、性別、特徴…それらを答えてほしい』
「知ってどうするつもりだ」
『その質問に私がどう答えた所で、貴方は信用しますか』
ノストラードは黙り混む。私が"なにもしない"と言った所でノストラードは信じないだろう。実際なにもしない訳がないのでそれは正しい。
「……断ったら」
『断るのであれば、どうにかして情報を聞き出す手段を取らなければならない。拷問でもクスリでも、やりようはいくらでもある』
ノストラードの顔が更に険しくなる。誰も痛い目にあいたい者などいない。
鎖使いの詳細を聞ければ特定は容易。ここで答えなければアジトに連れて帰る。どちらでもいい。………いや、待てよ。
ノストラードの反応からして鎖使いは他人ではない。組員の中でも近しい存在。…これ、ノストラードを拐って誘き寄せるのが早いんじゃないか？組長が拐われたなら取り返すのが組員の役目。例え助けに来なかったとしても、ノストラードがいなくなった代わりに指揮をとるのは鎖使いに違いない。
「っ…くそ…！！」
ノストラードは悪態をついて私に銃口を向ける。判断としては正しい。彼は鎖使いの情報を言うわけにはいかないし、逃げるわけにもいかない。逃げたなら娘は私に殺される。……私に殺す意思はないがそう思うだろう。
ノストラードは私を撃つ気ではいるが殺す意思はない。私は静かにこの部屋に入ってきた。部屋の前に警備を配置したのは自分だ。警備を音もなく倒せるほどの実力者だとは思っている。だから銃を向けたところで私が怯むとは思っていない。撃ったところで殺せるとは思っていない。
つまるところただの時間稼ぎ。
『ではこうしますか。話す場所を変える。そうすれば私が"ネオン"さんに傷をつけることはできないでしょう』
「！っ………」
『一か八かで発砲して外した際よりかはいいと思いますが』
外せば私の反撃を喰らう。そうなればノストラードは確実に終わりだ。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
