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150._言質 ページ4

501号室前には警備兵が立っていた。やはりここにいるらしい。…わざわざ外に配備してはここに居ると宣言しているようなものだが。

「!ぐ、っ」

声をあげる前に腹を殴り手刀で気絶させる。扉の横に座らせておく。

…さて。

中の気配は2つ。1人は寝ている。これが娘のネオンだろう。ならもう一人がライト=ノストラード。

私は静かに扉を開く。

「!遅かった……!?」

中にいた白髪混じりの男がこちらを見て驚きを露にする。…写真と一致。ベッドには可愛らしいお嬢さん。ネオン=ノストラードだ。

『こんばんわ。ノストラードさん』
「っ、……誰だ!警備はどうした!」
『静かに。傷つけるつもりはない』

一歩、一歩ノストラードに近づく。そっと携帯に手が伸びたのを見て止まる。

『傷つけるつもりはないんだけど…貴方の行動が私に不利益を生むなら、私はそれを阻止しなければならない』

私はナイフを取り出す。…ノストラードはナイフを見て娘を見て携帯に伸びていた手を引っ込めた。賢明な判断だな。

「………どこの組に雇われた。見逃してくれるならその組の倍の金額を払ってやる」
『んー、と…残念ながら私は雇われて来たわけではない。だから解決法にお金は適切ではない』

ノストラードは顔を歪める。金で解決できた方がまだ良かったのだろう。…よく見るとノストラードの顔は既に誰かに殴られた後だった。頬が腫れている。一応ノストラードは組長だよな…。そのせいか苛立っているようだ。こちらの用件を聞かないのは私という厄介ごとをさっさとどうにかしたいから。娘が倒れて気が気ではないのかもしれない。

娘、ネオンはベッドで静かな寝息を立てている。これでネオンが起きなければノストラード組の未来は決まってしまう。………起きたところでクロロに占いは盗られているだろうから、既に未来は決している。

「…じゃあ何が望みだ。…ネオンか」
『いえ。娘さんではなく質問を1つ』
「……質問だと」
『それさえ答えて頂ければ私は静かに去りますよ』

娘ではない、と知りノストラードの顔に安堵が見える。

「分かった。私に答えられることならなんでも答えよう」

…ほう。言質は取った。
私は少しにやりと笑ってそれから表情を戻す。

『先日幻影旅団の1人を捕らえた組員がノストラードファミリーにいるそうですね』
「!」

ノストラードが反応を示す。…やはりノストラードファミリーの組員で間違いない。それも"誰か"をこの男は知っている。

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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです!! (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、! (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです!!!!応援してます!!先の展開が楽しみで仕方ありません!! (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:JRPG | 作成日時:2021年6月12日 19時

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