167._縛り ページ21
……。
クラピカがとった方法は制約と誓約、だろう。
何らかの限定的な条件を鎖につけ、その分のリスクを負った。ウボォーギンを拘束するほどの条件を。…一体どれ程のリスクを。戦闘を見たわけではないため予測はできない。クラピカの体は一見問題なく見えた。…より複雑な発動条件、環境設定…。そうではなかったら。精神的な縛り…?
「!どんな方法?」
ゴンは期待するように見る。私は一度考えを止める。そして、私はゴンがこんなにも知りたがる理由をもう一度考える。
クラピカの為、というのもあるだろうがそもそも二人の目的は旅団を捕まえること。クラピカがウボォーギンを倒せたということは自分達にも可能だと考えるのは自然だ。
『…それを知っても旅団に対して使わない?』
私が言うとゴンは口を閉じる。どちらの意味と捉えても私が否定しているのは分かるだろう。
「……A。ちゃんと説明するって言ったよな。Aと旅団の関係」
キルアは少し緊張した面持ちだった。…私が彼らと親しいから否定しているのだと捉えたようだ。ゴンやレオリオも顔を強ばらせる。私は"わかった"と用意していた言葉を述べる。
『まず、私は旅団員ではない。…だから私を捕まえてもコミュニティから懸賞金は貰えない』
さっき「私を捕まえられるか」聞いてきたゴンに笑って言えばゴンは少しだけ表情を緩めた。それを見て表情を静かに戻す。
『それで、私と旅団の関係だけど……と、これは私のプライベートなことだから君はごめんね』
「!」
ずっとことの成り行きを眺めていたゼパイルとおぼしき男に視線を向ける。急に向けられると思っていなかったのだろう。ゼパイルは驚きで口を開ける。
「…ゼパイルさん」
やはりゼパイルで合っていたらしい。
ゴンがゼパイルを見る。どこか申し訳なさそうだった。
「!っ…ああ!つーかそもそもオレは名乗ってもいないからな!!それに、その話はヤバそうだ。ちょっくら散歩してくるぜ」
ゼパイルは勢い良く言い立ち上がると背を向ける。
「…ならオレも散歩しようかね」
「え?」
ゼパイルが背を向けたと同時に今度はレオリオが立ち上がる。…レオリオは別に聞いてもさして問題はないんだけど。
「オレには念の話はわかんねーし。…プライベートなことなら会ったばかりのオレが聞くのも可笑しいだろ」
皮肉のような言い方だがその本心は暖かい。…ゼパイルを気遣い、私へも配慮する。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです!! (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、! (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです!!!!応援してます!!先の展開が楽しみで仕方ありません!! (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JRPG | 作成日時:2021年6月12日 19時