153._愉快犯 ページ7
クラピカは廊下の途中で止まった。…ここで話を、ということらしい。確かにここならノストラードのいる部屋が見える。それに廊下なら逃げる手段はたくさんある。…クラピカの考えがどこまでのものかは分からないが。
「…A、肩は…」
『平気だよ。私の体のことは知っているでしょう。弾は抜けたから大丈夫』
傷の回復速度については昔実践して見せている。
クラピカは私の返答に難しい顔をしてから、何かを決めて発言する。
「A。私は今ノストラードファミリーに属している。その為、私にはボスを護る義務がある。…ここにはどういった事情で来た。返答によって私は義務を全うしなければならない」
クラピカは組員としての立場で述べる。…そうだな。まずはクラピカの疑問に答えよう。その方が混乱しない。
『誤解は困るから発言する。私はノストラードを殺しにきた訳ではない。同じく娘も。それはノストラードにも伝えたんだけど…効果はなかったみたい。まぁ、これには私に非があるからノストラードの行動は当然かな』
敵の注意が反れ隙ができた瞬間を狙うのは当然。
「…ではどうしてここに…仕事で？それならさっきの発言も理解できるが」
『いや、単なる探し物だよ。ある人を捜している』
「人…」
クラピカの指す仕事とはハンター協会のこと。裏社会の要人集まるオークションだ。協会からの仕事というのもあり得る、という考えだろう。
探し物。それも人。その言葉でクラピカが想像していないとは考えずらい。クラピカの拳に力が入るのが分かった。
『クラピカ。私は今から君が最も望まない言葉を言う。…それによって君を傷つけることになる』
クラピカが彼らを殺す。
あの日助けてからずっと想像していたこと。頭の隅に追いやってはいない。何度も考えて、答えなど出なかった。
私は中立でいようと思った。私はどちらにも味方でどちらが死んでも困るから。……でも、それはあまりにも都合がいい。中立でいるということは、私は何も手は出さないということ。そんなことは不可能だった。
クラピカから見た私は立派な悪人だろう。
自分の最大の敵を知りながら教えもせずその敵と懇意にしている。そしてそのことを隠して、自分には笑顔を振り撒いて"味方"などと宣うのだから。愉快犯と思われるかもしれない。
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JRPG(プロフ) - コメントありがとうございます。とてつもなく間が空いた気がするのは気のせいではありませんでした。ただ凍結することはないので連載再開までに終わるかどうかですね。 (2021年10月16日 20時) (
レス) id: 1f8a9e8183 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 更新待ってます (2021年10月4日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 好きです！！ (2021年8月12日 1時) (レス) id: 87c9802a04 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 大好きです、、、、！ (2021年7月26日 13時) (レス) id: 23539fd70e (このIDを非表示/違反報告)
めありー(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前から大大大大大好きです！！！！応援してます！！先の展開が楽しみで仕方ありません！！ (2021年6月15日 23時) (レス) id: 3db33b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JRPG
| 作成日時：2021年6月12日 19時
