90._豪語 ページ41
『!…はい?』
「見かけない顔ですね。それとも代理ですか?」
振り返って私は目を丸くする。金髪、サングラス。なにより声。……シャルナークだ。もう彼らはビルにいるだろうとは思っていたが、話しかけてくるなんて。……いや、まてよ。
『えっと……こういうものでして』
私はハンドバックからハンターライセンスを取り出して見せる。普通の人ならどこかのマフィアに雇われたハンター。もしくはマフィアンコミュニティーに雇われたハンター。と予想するだろう。
「ああ、ありがとうございます」
シャルナークは静かに頬をあげた。
『……………シャルナーク』
「はい?」
『よくわかったね。勘で話しかけることはしないだろうから、どうして分かったの?』
「はは、やっぱり分かる?」
シャルナークは雰囲気を一転させいつものように笑う。……ハンターライセンスを見せられたからといって確認をとらないのはおかしい。シャルナークは私だと気づいて話しかけたようだ。
念での変装ではないためバレるのはわかるのだが……つい少し前に完璧だと豪語した鏡の私が恥ずかしくなる。はいって早々バレるなんて。…私には変装の才がないのかもしれない。
「この中にも念能力者は数人いるけど、Aほどの壥をしてるやつはいないし、団長からAが来ることは聞いてるからね」
『………ぐうの音もでないよ』
念能力者の殆どは普段一般人に紛れるために微量のオーラは常に外へと流している。…けれど私はそれが出来ない。オート壥なのだ。
「それでどうしてここに?Aが競売に参加するなんて、欲しいのがあるの?」
『いや。まぁ、興味のあるものはあるけど。そうではないよ。仕事ぶりを見に来たんだ』
バレた以上隠す必要もないだろう。それにシャルナークだけにバレた現状は問題ない。
『だから他のみんなには内緒にしてね』
「うん、もちろん。オレはただドレスが似合ってるって一番に言いたかっただけだから」
シャルナークの言葉に笑みをひきつらせる。…シャルナークだって今目立つのはよくないだろうに。
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ソマリ(プロフ) - すごく面白いです!読んでる間時間を忘れてました!続き楽しみにしています。 (2021年2月26日 13時) (レス) id: 0472de010a (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。まだ確定ではないのですが長らくお待たせしているので投稿しました。そのうち勝手に編集するかもしれないデス。 (2021年2月12日 0時) (レス) id: 74382eb008 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - いつも大変お世話になっております。ついにヨークシン編へ!!わが最推しのクロロの活躍が待ち遠しいです。作者様もどうかお体にはお気を付けて、また続きを恵んでくださればと思います。お待ちしております!! (2021年2月6日 0時) (レス) id: c902458bf8 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。いよいよヨークシン編に入ります(まだ何も書いてないけど)。ここまでくると以前と言ってたこと違う、みたいなのがあるかもしれません(私は結構忘れてます)。指摘して下されば直します。優しく指摘して下さい(フリではないです)。 (2021年1月15日 19時) (レス) id: ec296045c3 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。更新しました。題名が被ってるときはわざとの時と忘れて使っている時があります。基本は被らないように頑張ってます。あと、題名で中身が丸わかりにならないように頑張ってたりします。お陰で変な題名が多くなってしまった。 (2021年1月13日 23時) (レス) id: ec296045c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JRPG | 作成日時:2020年12月9日 0時