碧は染まった2【H×H】

74._ビデオ ページ24

「でも、やっぱAの勝ちだったんじゃねーの？ヒソカは腕切られてたし」
『私も腕を折られたよ』
「Aにはノーダメだろ？引き分けって」
『まぁ、審判の判断だから。……そう、だからゴンくん』

しかしながらキルアは私のことを知っている。……キルアの視線が痛いのでゴンに話を反らした。

「なに？」
『判定の基準は審判による。だからゴンくんが一発顔面に入れればクリティカルヒットになる。勝つ気でいこうね』
「うん！もちろん、そのつもり」

元気に意気込むゴンの頭を撫でる。キルアのジト目は静かに視界から外した。

「君たちそろそろ修行に戻りますよ」

ウイングの声で3人はビデオの前から離れる。私もテレビを消した。

懐かしい水見式を行う彼らを遠巻きに眺める。……ゴンが強化系、キルアが変化系、ズシが操作系。因みにウイングは強化系。おおよそ予想通り。法則があるかは分からないがなんとなく特徴はある気がする。血液型性格分析のようなもの。

「A」
『うん？』

修行風景を横目に本を読んでいればキルアに呼ばれる。

「…"血液による人間的特性の分類"…よくこんなの読めるな」

キルアの顔が私の読んでいる本を覗いて歪む。……占いや診断のようで意外と面白いんだけどな。

『読んでみると意外と面白いよ。それよりも、何か進展でもあった？』
「いや、でも大体感覚は掴めた。それよりAの系統が気になってさ」

流石、早いな。と感心しているとキルアの言葉で残り二人もこちらを向く。そしてウイングも。

『予想はなんだと思う？』
「…具現化系？でも相手のオーラ消してたから…」

悩むキルアに頬を緩め本を閉じる。

『ウイングさんからはどう見えました？』
「…特質系だと思います。鎖は具現化したものでしょうが、私の知りうる限りオーラを消す能力は聞いたことがないので」

やはりそう見えるか。…ある意味私は特質系だ。操作系の能力と具現化系の能力を扱えるのだから。その二つの系統は特質系を挟んでいる。

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