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『シルバさんから聞いてなかったの?』
「うん。父さん達とは依頼人が違うから、それぞれ別行動だった」
なるほど、とAは納得する。…Aは見る限りいつも通り。だから今のところ何かを隠している様子はない。
…少し揺さぶってみるか。
「父さん達は十老頭に依頼されて旅団の始末…オレは旅団の依頼で十老頭の始末。オレの方が早かったから、結局父さん達の依頼は無くなったんだ」
『!…そう、だったんだ』
Aは目を開いてから納得したように呟く。何か思い当たることがあったような顔だった。
…あの時、オレが無線機で連絡したときには父さん達は丁度戦っていて間一髪だった。Aは父さん達と会っている。…なら、その依頼人が十老頭というのは驚かない。驚いたのは、オレの依頼人がクロロだったから。
納得しているのは、Aは十老頭が死んだことは知っていた。ただ、それがクロロの仕業だとしてもどうやったのかは知らなかった。
「…もしかしてA、あの場にいたの?」
父さんがAに仕事内容を話すとは思えない。ただ、その場にいたならクロロを殺すのを止めた説明として話していても可笑しくない。
『…えっと…』
分かりやすく目をそらした。…父さん達に会ったっていうのはそこで会ったのか。
『…イルミは知ってるの?…私と、旅団のこと』
「うん。Aが捜してた子供が旅団だろ」
むしろ知られてないと思ってたのか。オレが頷いて言うと、Aははりつめていた息を吐いた。
「Aってそういう情報管理能力ないよね」
『…君たちが凄すぎるんだよ。隠しようがないんだから仕方ないでしょう』
Aはふてくされたように口を尖らせた。…彼女に触れようと手を伸ばしかけて止める。その前に聞くことは聞かないと。
「それで、父さんから聞いたよ。仕事を減らしたいって?」
『うん。実はちょっと修行をしたいんだ。だから集中するために、仕事を少し減らしたいんだ』
「修行?」
聞き返すオレにAは頷く。…考えはわからないが想像はつく。なにより、予想していた答えと違って安心した。
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すってん(プロフ) - 続きの意志を示してくださって本当に嬉しいです!H×Hの作品でこちらが最も大好きな私です。最高に面白い作品を本当にありがとうございます!書き直し版もどちらも楽しみです!しかし無理はなさらずに、ご自分のペースで続けていただけたらな、と思います! (4月14日 2時) (レス) @page40 id: ff20551d0e (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - たまごボーロさん» 続けるつもりではありますが、今のところネタ切れ+マンネリ化のため暫くはお休みする形にはなると思います…。なるべく早く続きが書けるように頑張りますね。 (4月12日 20時) (レス) id: c0cc0b1a31 (このIDを非表示/違反報告)
たまごボーロ(プロフ) - 碧は染まったも続けてくれますか? (4月12日 19時) (レス) @page40 id: c5a7976f82 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。前回の更新から約一年が経ちそうでした。新しい話の更新じゃなくてすみません。内容に関しては※お知らせをお読みください。 (4月12日 18時) (レス) id: c0cc0b1a31 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - JRPGさん» いえいえ、どういたしまして〜 (6月19日 1時) (レス) id: 2cdd8e90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JRPG | 作成日時:2022年12月6日 11時