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「…待て」
私は疑問を浮かべたまま振り返る。…ニッケスの隣にいる他の仲間も彼を驚いたように見ていた。
「呪文カードは魔法都市マサドラでしか手に入らない。ただ、確率は低い。もう一つの方法は港に行くことだ。そこの所長がゲーム外にでる方法を知ってる」
私は素直に驚く。ニッケスは真剣な顔をしていた。
『…私は仲間になるつもりはありませんが』
「言っただろ、聞いてくれるなら現実に戻る方法を教えてやるってな。…正直、あんたを初めて見たとき鳥肌が立った。完璧で緻密な壥…ただ者じゃないと思った」
なら余計に教えないんじゃないだろうか。私は首をかしげた。
「媚びを売っておくのは悪くないだろう?」
『……そういうことでしたか』
それなら納得だ。……しかしプーハットといい、ニッケスといい…凝をされると実力が図られてしまうのは問題だな。私の壥は凄く分かりやすい。
…ニッケスは多分、あまり悪い人ではないのだろう。"血を流さないゲームクリア"を掲げているのだ。少なくとも、争いは好まない人間。
それが偽りである可能性はあるけど……私はその情報を求めていた。
私はお面を外す。開けた視界で見えたニッケスの顔は面白いほどに目を見開いていた。
『ありがとうございますニッケスさん。…協力することはできませんが、貴方のことは覚えておきます。ただ、あまり安易に顔も見えないような者を信用しては駄目ですよ』
私はくす、と笑ってから同じく固まってこちらを凝視しているビスケの頭を撫でる。
『ビスケちゃんも、また会えたらゆっくりお話しよう』
私は今度こそ背を向けて、その場を去った。
__________________
▽
余談ですが、ニッケスが彼女に方法を教えたのは彼女がNPCに頭を下げている姿を見て決めました。
すごい実力者で、なおかつ人柄が良い。これは媚びを売って損はないだろうと思ったわけです。
ニッケスも仲間(ジスパー)がやられたとき泣いていたし、多分情には脆いんじゃないかなぁと思う。
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すってん(プロフ) - 続きの意志を示してくださって本当に嬉しいです!H×Hの作品でこちらが最も大好きな私です。最高に面白い作品を本当にありがとうございます!書き直し版もどちらも楽しみです!しかし無理はなさらずに、ご自分のペースで続けていただけたらな、と思います! (4月14日 2時) (レス) @page40 id: ff20551d0e (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - たまごボーロさん» 続けるつもりではありますが、今のところネタ切れ+マンネリ化のため暫くはお休みする形にはなると思います…。なるべく早く続きが書けるように頑張りますね。 (4月12日 20時) (レス) id: c0cc0b1a31 (このIDを非表示/違反報告)
たまごボーロ(プロフ) - 碧は染まったも続けてくれますか? (4月12日 19時) (レス) @page40 id: c5a7976f82 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。前回の更新から約一年が経ちそうでした。新しい話の更新じゃなくてすみません。内容に関しては※お知らせをお読みください。 (4月12日 18時) (レス) id: c0cc0b1a31 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - JRPGさん» いえいえ、どういたしまして〜 (6月19日 1時) (レス) id: 2cdd8e90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JRPG | 作成日時:2022年12月6日 11時