88.暗闇 ページ46
どれくらい経ったのか分からない。ずっと真っ暗で、太陽の光がなかった。
閉じていた目をゆっくりと開く。
手を耳から静かに離す。…音が、静かになっていた。
震える手を二つ合わせて握る。…少しだけ楽になる気がした。
……もう、おわったの？
期待して顔を上げる。
しずかになったってことは……もうでてもいいのかな。
……でも、まだこわい人がいたらどうしよう…。
そう考えて伸ばした手を引っ込めた。
「っ……！」
瞬間、ガタンと音がして揺れた。叫びそうになって必死に口を押さえた。
「…っ………ぅ」
こわい、こわいよ。
涙が頬を伝う。それでも怖くても、叫びたくても必死に声を押さえた。
「…＿＿＿…」
「＿」
直ぐ近くで誰かの話し声が聞こえた。何を話しているかは分からない。でも片方は知ってる声だった。
安心して出ようとしてまた手を止める。
＿ワシが声をかけるまで、絶対にでてはいかん。
その声が頭に響いた。
そうだ。…でちゃいけないんだ。
こわいけど、だめ。
震える手をまた合わせて祈るように握る。……大丈夫、大丈夫だから。
そうやって心のなかで自分を励ました。
「…＿」
「＿＿」
「…＿＿、すまない」
「ぇ………？」
はっとして、開いた口を閉じる。
それから何か柔らかいものをきったみたいな音が聞こえた。それがなんなのかはわからないけど、なんとなく良くない音だと思った。
足音が近づいてくるのが分かる。音がする度に心臓が跳ねた。
…どうか、どうか…おねがいだから…。
カタカタと、噛み合わない歯が擦れあって音になる。押さえようと思っても言うことをきいてくれなかった。
「…………ぁ………」
「…＿＿＿」
キィ、と扉が開いて光が射し込んでくる。そして何かがすとん、と落ちた気がした。
……ジイサマ、じゃなかった。
知らない男の人。男の人は私を見て何か言っていた。でも、やっぱり何て言ってるのかはわからない。視界の端に、銀色の刃物が見えた。それが赤くなっていた。
にげないと。
体が震えた。怖くて、体が思うように動かない。にげたくても、にげたくても、体が動いてくれない。
「…た、……たす、けて…だれかっ」
それでもなんとか這いずり出て、四つん這いで距離を取る。思うように手足が動かない。結局壁に背中を付けて体が固まってしまった。
「ジイサマっ、……ねぇ、いないのっ……ねえ！」
「……」
男の人が一歩一歩近づいてくる。
「ジイサ」
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Justice RPG(プロフ) - ノアさん、ノアの方舟さん。コメントありがとうございます！実は私の中で主人公の名前が"ノア"なんですよね。なんだか偶然というか。続編に移行したので引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年3月10日 13時) (
レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。いつもとても楽しくワクワクしながら読ませてもらっています！主人公とクロロ少年、団員達が邂逅する場面がいつ来るかと思うと想像が止まりません…どうぞ体調にお気をつけて書いてください。引き続き楽しみに更新待っています！ (2019年3月9日 23時) (レス) id: ae2e2210b7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - コメント失礼します！クロロ少年をめっちゃ待ってました！！更新がすごく楽しみです。無理をしないで御自分のペースで、私の生きる理由がこの小説なので、更新頑張ってください(( (2019年3月9日 14時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - コメントを下さった皆さん本当にありがとうございます。ほんとに、嬉しいです。特に自分の意図してることが伝わってると思うと、ほんと感無量ですね。これからも宜しくお願いします。 (2019年3月9日 0時) (レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 作者です。書いては消してを繰り返してのんびりしていたら物凄く時間が経ってました。時間が過ぎるのって早い。次の更新は多分直ぐにあがるかと…。 (2019年3月9日 0時) (レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年12月25日 18時
