79.塵 ページ37
だからオレンさんも無許可で外に出た。…その時にプラムも着いていってしまったらしい。そして運悪く同じ山に居た例の業者に目をつけられた。夫を助けてやる、と言われ外を知らないオレンさんは素直に信じてしまったのだという。………この後二人は重い罰を受けるのだろう。プラムは…私に着いているのを見る限り、罪は無いのか。もしくは軽いものなのかもしれない。
大人であっても簡単に騙されてしまう。知識がないのはやはり恐ろしい。
…純粋であるからこそ、少しの塵で濁ってしまう。
『何が聞きたい？』
「Aはどこから来たの？」
『とても遠い場所。パドキア共和国という国だよ』
「へぇ…！」
パドキア共和国なんて知らないだろう。けれど"知らない"ということに目を輝かせているようだった。
「なぁ！外ってどんな感じなんだ？町、町とかあるんだろ！村とは違って家が二階も三階もあるって！」
『そうだね。むしろ一階建ての方が少ないかもしれない』
「外って楽しい？」
パイロの言葉に一瞬悩む。…楽しい、か。それは難しい質問だ。なにせ外はあまりにも広い。私だって全てを知っている訳ではなかった。
それに、楽しい、訳でもない。
教会から出たときも、ヨークシンに降り立った時も、パドキアも、仕事で色んな場所に行っても…パイロ達が求めるようなものはなかった。
でも、少なくとも前よりはこちらの方が好きだ。
『…楽しい、という表現が適切かは分からないけれど…好きではあるよ。外には大切な、愛する人たちがいるからね』
「あい？」
プラムが私の膝の上に座り、疑問気に見上げてくる。
彼らが居るからこそ、この世界を素晴らしいと思える。楽しいと思える。生きていたいと思える。
『うん。だからね、君たちがいるこの村も私にとっては楽しい場所だよ』
「ここ外じゃないよ？」
『私にとってはここも外なんだ』
プラムはよく分かっていないのか眉を寄せて首を捻っていた。そんな彼女の頭を撫でる。尚も思案していた。
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Justice RPG(プロフ) - ノアさん、ノアの方舟さん。コメントありがとうございます！実は私の中で主人公の名前が"ノア"なんですよね。なんだか偶然というか。続編に移行したので引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年3月10日 13時) (
レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。いつもとても楽しくワクワクしながら読ませてもらっています！主人公とクロロ少年、団員達が邂逅する場面がいつ来るかと思うと想像が止まりません…どうぞ体調にお気をつけて書いてください。引き続き楽しみに更新待っています！ (2019年3月9日 23時) (レス) id: ae2e2210b7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - コメント失礼します！クロロ少年をめっちゃ待ってました！！更新がすごく楽しみです。無理をしないで御自分のペースで、私の生きる理由がこの小説なので、更新頑張ってください(( (2019年3月9日 14時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - コメントを下さった皆さん本当にありがとうございます。ほんとに、嬉しいです。特に自分の意図してることが伝わってると思うと、ほんと感無量ですね。これからも宜しくお願いします。 (2019年3月9日 0時) (レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 作者です。書いては消してを繰り返してのんびりしていたら物凄く時間が経ってました。時間が過ぎるのって早い。次の更新は多分直ぐにあがるかと…。 (2019年3月9日 0時) (レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年12月25日 18時
