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弐拾七 ページ27

守りながらはこちらが不利。けれど鬼も両腕を無くし、頭も半分削られた。あちらもこのまま戦うのは不利。
そう思ったのだろう。鬼は地面へと沈み、消えていった。………追跡したいが、この女性を置いていくことは出来ない。

ギリ、と歯を噛み締める。それから頭を冷やす。冷静さを欠くのが一番あってはならない。

「っAさん!!」

少年の声。息が絶え絶えだった。走ってきたのだろう。

「はっ………っ、……鬼…て言ってたよね…」

振り替えると光の中に少年が居た。その隣にはお兄さんも。少年の額からは汗が止めどなく流れている。

「…鬼、居たの…?」
『来ない方がいい』
「、!」

こちらに足を踏み出そうとしたので止める。流石に落ちた腕二本と脳味噌は少年には刺激が強いだろう。

『私からそちらに行く。だから影に入ってはいけない』

私は今闇の中だ。少年やお兄さんにはこの闇の中がどうなっているのか見えない。私は少しだけ二人に歩いていく。

「っ、………!」
「…………」

少年が息を飲み、お兄さんの目が鋭くなった。

『取り敢えず医者を。思ったより出血が酷い』

私も少し明るくなったことで腕の中の女性を認識する。女性の左腕は血だらけだった。…肉が喰われてるな…。女性はとっくに気を失っている。

「…もしもし、はい。救急です…」

お兄さんは何か四角いものを耳に押し当て話している。それがなんなのかは分からないが、話している内容を汲み取るに、医者を呼んでいるらしい。……動く階段があるくらいだ、医者を呼ぶ機械くらいあるのかもしれない。流石にこんな状況で一人言はしないだろう。

人目につくと面倒なので一度暗闇に戻り刀を鞘に戻してから、竹刀袋を女性の腕にきつく巻く。止血だけでもしておかないと。左肩下の部分に巻くが、血の量は変わらない。…気を失ってなければなんとかなったかもしれないが。

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ゆら - とても続きが気になる物語だったので、時間があるときに更新よろしくお願いします。頑張ってください! (2020年6月21日 12時) (レス) id: a43add877a (このIDを非表示/違反報告)
ユナナ(プロフ) - こんにちは!"浮世離れの今日"を見させていただきました!好きな漫画がコラボで出てきている…もう喜びを超えた嬉しさです笑 後の展開がとても気になります!技の名前も高クオリティで普通に鬼滅の刃にで出来そうです笑 また続きをお待ちしています笑 (2020年1月8日 11時) (レス) id: 0bea8b4a9d (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。更新しました。楽しみにしてくださっていた方遅くなりすみません…。沢山のコメントありがとうございます。全部読んでます。引き続きお楽しみ頂けたら幸いです。 (2019年10月31日 9時) (レス) id: 0e0a111648 (このIDを非表示/違反報告)
綺咲裕翔 - めちゃくちゃ面白いです!!続きが気になるー!楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年10月27日 10時) (レス) id: 93b6603b06 (このIDを非表示/違反報告)
南無阿弥陀仏(プロフ) - 続き待ってます (2019年10月24日 14時) (レス) id: 1cf60bec73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Justice RPG | 作成日時:2018年9月15日 21時

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