浮き世離れの今日【名探偵コナン×鬼滅の刃】

拾八 ページ18

「……A、さん…？」
『……ねぇ、蘭さん。やっぱりこれ跨がすーすーして』
「女の子が跨とか言わないの！！」

紛れもないAさんだった。

「これは…驚きましたね」

昴さんも驚いているようだ。

「昴さんも可愛いと思いませんか！？」
「ええ、思いますよ。…昨日とはまるで別人の様です」
「コナンくんは？」
「…ボクも。昴さんと一緒だよ」
「そうでしょ！」

蘭はどこか誇らしげだった。対してAさんは目を世話しなく動かしている。…スカートも気になるのか手で押さえていた。

『…凄いですね。これでよく人前に出られる……花魁でも着ませんよ』

花魁って、おい。

「……でもAさんホントに凄く似合ってるよ！ボクビックリしちゃった！」
『………』

褒めてもAさんは難しい顔を崩さない。……上が騒がしかったのは主にこれなんだろう。彼女からしたら無理やり着させられた状態だった。

『……そこのお兄さん』
「…えっと、私ですか？」
『ええそうです、お腹が空きました昨日のを所望します今すぐに早急に』

へそを曲げてしまったらしい。スカートを気にせず大股で歩き、ソファーへと座るAさん。…座った瞬間に顔が緩んだのは見逃さない。

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