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何かぶつぶつと思考に耽る女性…というよりかは背的に少女に近い。真っ黒な髪は後ろで軽く結われ、前髪は長く目が半分隠れていた。肌は白く、目元はよく見えないため正直不気味だ。

『ん、少年…?』

前髪の奥から視線がこちらに向く。

「お姉さん、何やってるの?」

刀を振るっていたのだから警戒はするが、自分にはどうにもこの人が悪人のようには見えなかった。不気味ではあるけど。

『鬼退治だよ』
「お、鬼退治?」
『ああ…といっても今しがた逃げられてしまったんだけど』

落胆した息を吐く少女。
…鬼退治?鬼なんて居るわけがない。時代を遡ったってまずいないだろう。あくまで伝説上の話。

それなのに少女からはふざけた雰囲気は全く感じられない。まるで、本当に鬼退治をしているんだ、という雰囲気。

「…この刀…本物?」
『刀に偽物があるわけないだろ。君にはこれが木刀にでも見えるの?』
「う、ううん。…でも本物なんてすごいね!許可とらないといけないんだよね!」
『許可?そんなの誰に取るの』

その反応にこっちがあっけに取られてしまう。銃砲刀剣類所持等取締法という名称はともかく、銃刀法違反という言葉は今時誰だって知っているだろう。

…なにかが可笑しい。この時点で何かとてつもない違和感を感じていた。いや、正確には電灯の上に飛び乗った辺りから異常はあった。

少女は地に刺さったままの刀を抜き取り、慣れたように鞘に納めた。

「!今すぐ武器を捨てて投降しろ!!」
「!」

その言葉に周りを見れば武装した警察が取り囲んでいた。刀を振り回している奴がいる、とでも通報を受けたんだろう。

「周囲は完全に包囲した!!お前に逃げ場はない!」
『……………?』

隣を見上げればなんのことか分かっていないような顔。

『……仲間か?いやしかし、見たことがない……都会でもあんなのあったか?』
「……ねぇお姉さん」
『うん?』
「お姉さんってどこから来たの?」
『どこ?……えと、街かな。ここに来る前に多分寄った…結構前だけど』
「じゃあ、さ」

できることならオレの質問に笑ってくれるのを望んで。

「今何年?」
『何年?……あー、何年だろう。大正…三年くらい?』
「…………」

そう冗談めかして言う少女に、オレは笑うことが出来なかった。

参→←壱



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ゆら - とても続きが気になる物語だったので、時間があるときに更新よろしくお願いします。頑張ってください! (2020年6月21日 12時) (レス) id: a43add877a (このIDを非表示/違反報告)
ユナナ(プロフ) - こんにちは!"浮世離れの今日"を見させていただきました!好きな漫画がコラボで出てきている…もう喜びを超えた嬉しさです笑 後の展開がとても気になります!技の名前も高クオリティで普通に鬼滅の刃にで出来そうです笑 また続きをお待ちしています笑 (2020年1月8日 11時) (レス) id: 0bea8b4a9d (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。更新しました。楽しみにしてくださっていた方遅くなりすみません…。沢山のコメントありがとうございます。全部読んでます。引き続きお楽しみ頂けたら幸いです。 (2019年10月31日 9時) (レス) id: 0e0a111648 (このIDを非表示/違反報告)
綺咲裕翔 - めちゃくちゃ面白いです!!続きが気になるー!楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年10月27日 10時) (レス) id: 93b6603b06 (このIDを非表示/違反報告)
南無阿弥陀仏(プロフ) - 続き待ってます (2019年10月24日 14時) (レス) id: 1cf60bec73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Justice RPG | 作成日時:2018年9月15日 21時

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