17.困惑 ページ23
これで話は終わりなのかイルミがシルバさんに背を向けて扉へ向かう。私も一礼して背を向ける。
「A」
『、はい』
呼び止められた。少し驚いたものの振り替える。
「後で話がある」
『わ、かりました』
後で、ということは今ではない。私はもう一度礼をして部屋を出た。
『…』
話って何だろう。部屋を出て考える。
シルバさんには殆ど私のことは話しているし…隠していることもあるが、それではないだろう。
「A」
『うん？』
イルミに呼ばれ意識を向ける。それから手を繋がれる。珍しい。そして手を引かれる。
『イルミ？』
イルミは特に答えない。淡々と進んでいく。
…知らない廊下。それから階段を降りる。…来たことのない場所だ。つくづくこの家は広いな、と思う。
やがて暗い石造りのような空間に出る。壁には燭台。…RPGのお城みたいだ。
そしてイルミが数ある扉の中から一つの前で止まる。私も止まる。イルミの手が離れた。…少しだけ名残惜しい。
「入るよ」
イルミの声に中から返事が聞こえる。知っている声ではなかった。
「！！」
中に居た男は私を見て酷く驚いていた。…私も男を見て目を開く。それは知り合い、という訳ではなく格好にだ。
身体中は傷だらけ、細かい血が辺りに飛び散っていた。その中で目を引いたのは腫れ上がった頬。それはもう大きく腫れていた。足と手には枷がはめられている。
「下がって」
「畏まりました」
傷だらけの男の横にいた執事さんがイルミに答え、部屋を出ていく。入ってくるときに中から聞こえた返事は恐らく彼。
状況からして、この男の監視役といったところか。…悪いことでもしたんだろうか。だが、悪いことをしたのならなぜ生かされているんだろう。……私の様に"生かすこと"に意味でもあるんだろうか。
『イルミ。この人は』
「……やっぱり知らないんだ」
『え？』
「っ！！ま、待ってくれ！！」
イルミの言葉にどういうことだと聞き返そうとしたら、傷だらけの男が急に声を荒げる。
「わ、分かるだろ！俺のこと！！」
『……』
「ほら！！船で！！」
『……』
船？…船に乗ったのはあのとき位だが……こんな男居ただろうか。そもそも、あそこで関わったような人は大抵殺してしまったと思っていたのだが。
「なあ！！」
『……イルミ、状況が見えないのだけど』
懇願の瞳で見てくる男に私は困惑しか返せない。だって、そう言われても私には覚えがない。
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かかか - えっすっっっっっっき (2021年6月22日 19時) (
レス) id: fdccfef2b5 (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - R指定にはなっていますが内容は特に今までと変わりありません。急にアダルトになったり今まで以上の残酷描写はないです。ただ、いくつかのワードが引っ掛かってしまったので…。立場上強くは言えませんが、誤解は生みたくなかったため説明を入れさせて頂きました。 (2019年4月1日 23時) (レス) id: 8e8afc0dbb (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 続編へのお知らせ。本編に記載が出来ないためこちらに説明を書かせていただきます。続編にはR指定がついてます。続きが読めない方は設定の確認をお願いします。もしくは別サイトでも執筆しているのでそちらで読んでいただけると良いかと…(プロフィールにURLがあります) (2019年4月1日 23時) (レス) id: 8e8afc0dbb (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 孤歌さん» いえ！大丈夫ですよ！本当は私も外したいのですが…この18禁設定は私がしたものではないので外すことが出来ないんです…。お手数ですが宜しくお願いしますm(__)m。 (2019年3月28日 21時) (レス) id: 5b1d0d0f4c (このIDを非表示/違反報告)
孤歌(プロフ) - あぁ！そうだったんですか！よく確認せずにすいませんでした(ー_ー;) (2019年3月28日 21時) (レス) id: 5a595ce298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年7月4日 0時
