58.嫌悪感 ページ8
Aが倒れていた。
「……A…？」
ここからでもわかるくらい苦しそうな息だった。
「っA！！」
オレはいち速く駆け寄る。そして隣で震えているパクノダに詰め寄った。
「パクノダ！何があった！Aは！？」
「…、…」
「Aは！！」
「…わか、らない…急に…ナイフは真っ直ぐ抜いてって…止血は、クロロが知ってるからって…それで…倒れて…」
「！！」
……オレは何をしてるんだ。
Aが痛そうな顔をしていなかったからそれを信じて疑わなかった。
疑ってもパクノダを残したから大丈夫だと勝手に安心していた。
全部全部、Aの思い通りだ。
Aは正直にオレたちに接してくれるが、決してオレたちが傷つくことは無かった。
それは決して彼女の素ではない。彼女は優しいからわざと傷つつかないように、それでいて真意の伝わる言葉を選んでいた。
…そうだ。ダウトでも彼女が一番上手かったじゃないか。
「っ…くそ」
気づけなかった。Aは解っていたんだ、自分の状況に。Aからしたら望んだ通りに行ったのかもしれない。でも、オレはこうなるのは嫌だった。
いくらAの望んだことでも、Aの傷つく望みは叶えたくない。
…なのにオレは見抜けなかった。
「…みんな、Aを押さえてくれ」
「、どうするの…？」
「ナイフを抜く」
彼女は倒れる前に提示した。次、オレたちがやることを。なら、それに従うまでだ。
…ああ…悔しいくらいに彼女の望み通りだ。
皆はまだ状況を飲み込んでいないのか、目の前の事態に驚いているのか、立ち尽くしていた。
いつもはAと何かにつけて対立するフェイタンも、ただ呆然としていた。
それでもオレの声は聞こえたのか、皆はAの周りに集まる。
「…っ抜くぞ、！」
真っ直ぐ抜かないと余計にAが傷つくことになる。
そう思うと自分の手が震えた。
ナイフは心臓を刺している訳じゃないのに、Aが死んでしまうかもしれないという恐怖がオレを支配していた。
しかし同時に、ナイフを抜くのはオレでなければならない、という感情もあった。他のみんなには抜かせたくない。例え傷がついても、その傷はオレでありたい。そんな矛盾した感情が渦巻く。
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るみ - ハンターハンターにハマって、一作目にこれを見て良かったです(*^^*) (2019年1月26日 0時) (
レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - クラピカさん» コメントありがとうございます！第二章出来ました！！引き続きお楽しみください！ (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - みるのさん» コメントありがとうございます！続編出来ました！！これからも楽しんで頂ければ幸いです！ (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます！応援とても嬉しいです！続編を作成したのでお楽しみください！ (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
クラピカ - 第2章楽しみすぎるー！ (2018年1月3日 6時) (レス) id: 423cdf7227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2017年11月8日 20時
