51.イライラ ページ1
「おい、ガキ。今からお前らは商品だ。俺についてこい。もし逃げるようなまねしたらこいつを」
スーツの男が小型のナイフをマチに向ける。ナイフなんて危ないもの、子どもに向けるなよ。ましてや女の子。間違って傷がついたらどうするんだよ。
「女、お前も同じだ。ま、その状態じゃ逃げられないだろうがね」
……あー、イライラする。ほんとに。ここまでイライラするのは何年ぶりだろう。イライラを意識すればするほど余計にイライラする。そもそもなんでこんな状況にならなきゃいけないんだ。私はこんなの望んでない。
あー待て、落ち着け自分。怒ったら負けって言ったのは自分だろう。冷静になれ冷静に。
………………冷静になれる訳ないだろ。
「っ！」
瞬間、右腕の拘束が緩んだ気がした。怪我をしているからだろうか。
私は自分の激情を抑えられるほど大人じゃない。
右腕を無理やり上げ、手を男に向ける。男は能力者。私も能力者。なら、男に出来て私に出来ない筈はない。そんなの許さない。
「ぁ…！？」
男の首にもやが巻き付く。
「なにすんだ！！」
男の頭の動きがピタリと止まる。
できた、出来た、のか。
やってから何だか、本当に出来てしまった。……やってみるもんだな。
「っくそ！」
しかし止められたのは頭の動きだけ。自由な腕がポケットを探り出す。
…不味い。ナイフとかだされたら困る。今の私は動かない的なのだから。
腕も止めようとはしてみるがやり方が解らない。この巻き付いている一本を外して腕につけることは出来そうだが、無数に出すイメージが湧かない。
案の定、ナイフを出してきた男。
どうにかして止めないと。只でさえ右腕はやられてるのだから。このもやで首を絞めてしまいたいが、どうやら動きを止めるだけで絞めることは出来ないらしい。
こんなもやじゃダメだ。もっと固くて強い、絞められると痛い…鉄とか…
『…鉄……鎖』
そうだ、鎖だ！
＿キン
思ったとたんに巻き付いていたもやが鎖へ変わる。
鎖は男の首を締め付け、苦しめる。
「っ！あ゛！」
カタ、と男の手からナイフが滑り落ちる。…あと、少し。
「………」
やがて男はぐったりとして動かなくなる。殺してはいない。一時的な気絶だ。
『…ふぅ』
それにより私の拘束も解ける。やっぱり自由な体はいいな。
『形勢逆転』
残ったスーツの男は急な状況についていけてないようだ。ただただ驚き口を開けている。
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るみ - ハンターハンターにハマって、一作目にこれを見て良かったです(*^^*) (2019年1月26日 0時) (
レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - クラピカさん» コメントありがとうございます！第二章出来ました！！引き続きお楽しみください！ (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - みるのさん» コメントありがとうございます！続編出来ました！！これからも楽しんで頂ければ幸いです！ (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます！応援とても嬉しいです！続編を作成したのでお楽しみください！ (2018年1月7日 3時) (レス) id: cd2849aff7 (このIDを非表示/違反報告)
クラピカ - 第2章楽しみすぎるー！ (2018年1月3日 6時) (レス) id: 423cdf7227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2017年11月8日 20時
