その玖拾肆 ページ2
じわじわと蝕まれていく身体を見詰めながら、ポツリと呟いた。
「ああ、これが孤独ってやつか」
『ようやく気付いたの？遅すぎるよ、何もかも』
目の前の自分は楽しそうに笑ってはいるが、どこか悲し気だった。目の前の子供は、遥か昔に心施錠をかけた時の自分だ。ずっと一人ぼっちで、こんなところにいたのだろう。そこにもう一つの声が響き渡った。
「Aッ!!!」
ここにいる筈の無い聞き馴染みのある男の声だった。
「…ナルト？」
「…！そうだ！俺だってばよ!!」
「何でこんなところにいるんだ？というかどこにいるの？」
声はするが姿が見えず、辺りをキョロキョロと見渡した。子供の自分は怒りを込め舌打ちをした。
「外だ！サクラちゃんが泣いてるのを見つけて飛んできたんだってばよ！何をそんなとこでグズグズしてんだ！？さっさと戻ってこい!!!」
『お前が戻ってどうなるのさ。というか戻れないでしょ。これ以上まだ犠牲者を増やす気なの？まだ誰かを陥れる気なの？』
「何言ってんだってばよ！よく聞けA！俺はお前に救われたんだ！皆から虐められて独りぼっちだった俺に声をかけてくれたのはお前だけだったんだってばよ！一緒に飯食って、時には悪さもして、Aがいてくれたおかげで俺は今ここにいる!!!」
『何言ってんの全部独りよがりでやった事でしょ』
「俺だけじゃねぇ!!サクラちゃんも、ミツハも皆お前のおかげでこうして生きてるんだ!!!未練がねぇ？ふざけんな！まだやる事が残ってんだろ!!!里の皆もお前を必要としてんだ!!!俺達を信じろ!!!」
目の前の子供は顔を歪めた。その様子を眺めてすっと腕を差し出した。突然の事にビクリと肩を揺らしAを見詰めた。
「正直言うと今めちゃくちゃ後悔してる。自分に鍵をかけたこと。お前の言うとおり気付くのちょっと遅かったわ。心を殺しても何も無かった。生きる意味も見出だせない。ぶっちゃけ今も生きる意味なんてない」
『そうでしょ…！生きてたって仕方ないなら、死んだ方がいっそ楽じゃない？』
「かもね。だけど、今からでも遅くないんじゃないかなって思う」
『やめろ！お前が生きてて何になる！？』
年端の子供のように感情的に怒鳴る過去の自分に微笑みかけた。
「それはこれから探す。もう一人で生きるのは止める。今度こそ…今度こそ！アイツ達と共に生きる！」
その瞬間、ピシリと自分の左頬に亀裂が入った。ナルト達の差し出す手に
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小泉八雲 - とても面白い作品でした 続きが気になります…更新頑張ってください！応援してます！！ (7月15日 15時) (
レス) @page4 id: a3d5b84e3e (このIDを非表示/違反報告)
夾桃 - (大事な事なので2回言いました) (2021年1月16日 12時) (レス) id: cd7d8171aa (このIDを非表示/違反報告)
夾桃 - めちゃめちゃ感動しました！岩化されちゃったのを解くのはカカシ先生かと思ってたんですが涙。とっても感動しました！ (2021年1月16日 12時) (レス) id: cd7d8171aa (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - とっても面白かったです！最後まで、見たいです。お願いします。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - 更新停止されてますが、更新待ってます！ (2020年4月19日 18時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rin´ | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2018年4月28日 22時
