【NARUTO】鍵職人の憂鬱

その肆拾弐 ページ44

「A」

呼び掛けられ振り向くと、サクラが立っていた。ニッコリ笑い返事をした。

「もう大丈夫なの？」

「うん。さっき言い損ねちゃったけど、予選突破おめでとう」

「あはは、ありがとう。」

苦笑をもらしつつ礼を言った。先程のAの試合について触れられるのは多少気まずかったが、それを感じさせないよう笑みを張り付けた。

「サクラも強くなったねぇ…カッコよかったよ」

「ま、引き分けだったけど次は絶対負けないわ！サスケ君も私が奪ってやるんだから！」

そう言ってニッと歯を見せ笑った。その様子に自然と笑みがこぼれた。その間も順調に対戦は続いていき、同期の仲間達もどんどん勝ち進んでいった。ここで次の対戦は犬塚キバVSうずまきナルトだった。

「おっ、頑張れよナルト！強くなったことを皆に証明してやれ！」

「とーぜんだってばよ！」

勢いよく下り立った。きっとこの場にいる殆んどの者がナルトに期待はしていないだろう。その考えが覆されるのを楽しみに試合を眺めた。

予想通りナルトは明らかに強くなっていた。否、それ以上かもしれない。一つ確かなのはこの中忍試験でまたさらに成長している。今までのナルトを知っていた者は全員驚きを隠せない。

「いけー！ナルトーー!!」

サクラの応援に応えるかのように一気に蹴りをつけた。体当たり的な戦い方だったが、今では頭脳戦も習得したようだ。

「勝者うずまきナルト！」

「よっしゃあ！」

恐らくこの場にいる全員がナルトを認めただろう。それほどにナルトの成長は著しかった。

「いいぞ〜ナルト！お疲れさん！」

「おう！」

ナルトも無事、予選を通過したのだった。一言詫びをいれるとAは会場を離れた。

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